4:笑顔






「ヴァ〜リラッ!はいっ、この前のお返し!」




金の匠合の自室で書類の整理をしていたヴァリラの元へ、プラティが差し入れを持ってきた。




「この前、美味しいケーキ持ってきてくれたから、今日はわたしが持ってきたよ。ヴァリラ、この頃忙しくて外出てないでしょ?」

いきなりプラティが押しかけたので、ヴァリラは珍しく、目を丸くしてプラティを見ていた。

ニコニコと笑顔で、ヴァリラの目の前に箱が置かれている。



「ケーキ持ってきたんだけど、ヴァリラ甘いものあんまり得意そうじゃないから、甘さ控えめのケーキにしたよ。」

良い手際でプラティはケーキをお皿に取り分ける。





ビターなチョコレートケーキ。




自分の好みをちゃんと判ってくれた。

もっとも、彼は、彼女から貰ったものは何でも良いのだろうけど。






目の前に笑顔でいるプラティを見て、ヴァリラも少し照れながら笑った。

「…すまない、プラティ。」

「そんなこと言われると恥ずかしいよ、ヴァリラ。さ、食べよう。」

「あぁ。」







お互い、この笑顔が大好きなんだと、改めて確認した。


ヴァリプラお題「笑顔」です。

意地っ張りなヴァリラの笑顔となんでもオッケイ(え)なプラティの笑顔は対照的でしょう(笑)

2005年1月6日 伊予