阿鼻叫喚の共同生活






と陸遜が母の運転で叫んでいた頃。

はというと、とりあえず趙雲と司馬懿に焼きそばを食べさせていた。

趙雲はともかく、「馬鹿めがっ!」を連発する司馬懿でさえも大人しく食していた。

それも一重にのお陰だろう。

二人が食べ終わり、出された麦茶を啜っていると、やっとが口を開いた。








「お腹も一杯になって少し落ち着いた?趙雲に司馬懿。」

目の前にいる少女が自分たちの名前を知っていることに驚きつつも、趙雲が言葉を発する。

「…は、はい。ありがとうございます。」

「そ、良かった。」

微笑むとは裏腹に司馬懿も負けず劣らず鋭い眼光をの二人に浴びせていた。

身も知らぬ人間とわけのわからない物が置いてある部屋。そして、隣には先ほど五丈原で戦っていた敵国の将、趙雲がいるのである。

(――警戒するにこしたことは無いな。)

なぁんて、ちゃっかり思っていた。

それを見透かしたようにが言う。

「そんなに警戒しないでよ、司馬懿?これからは陸遜と趙雲、司馬懿の三人と私たち家族と暮らすんだから。」

「…何?」

司馬懿らしい、ドスの効いた声で聞き返してくる。

これには趙雲も驚いた様子で目をぱちくりとしてる。

そして、この状況にも関わらず先ほどから微笑みを絶やさないを見て、は「姉ちゃんらしいなぁ」とか思いながら、空いた皿を重ねていった。











が台所の流しに空いた皿を置きに行ったと同時に、と陸遜、母が丁度良く帰ってきた。

「ただいま〜。」

「あ、兄ちゃん、母ちゃん、陸遜お帰り〜。」

洗剤をスポンジに沁み込ませながらは続ける。

「姉ちゃんが今他の二人に説明始めたばっかりだから丁度良いよ。」

「ん。わかった。じゃぁ陸遜、二階に行こうか。」

「はい。」

松葉杖をつきながら器用に二人で二階に上がっていった。








二階に上がると怒声が、特に司馬懿の声が聞こえる。

それを聞いては改めて夢じゃないのかと頭を抱える。

「え〜っと、陸遜。この声聞いてもらえる通り、敵国の人たちがいるんだよね…。」

「えぇ。最初に目を覚ましたときに確認しました。蜀の趙雲と魏の司馬懿ですよね?」

「あぁ。…とりあえず、仲良くしてやって…。」

「この場合は仕方ないと思いますよ、。それにご迷惑を掛けたくありませんし。」

「ありがとう。」

そんな会話をしながら、部屋のドアに手をかける。











ドアを開くと、司馬懿の恐ろしい剣幕があった。

「た、ただいま…。」

「あ、お帰りに陸遜。」

「貴様っ私の話を聞いているのか?!!」

「あー、聞いてる聞いてる。」

そんな司馬懿を受け流しながら、は顔をと陸遜に向けていた。

怪我人の陸遜をのベットに座らせてもその隣に座る。

「―――で、役者も全部揃ったし、司馬懿も落ち着いてよ。」

「これが落ち着いていられるかっ馬鹿めが!」

いつも冷静沈着な司馬懿がここまでパニクっている姿も珍しい。

しかし、の方が上手だった。

「―――ぁあ?静かにしろって言ってるでしょ?…じゃあ、聞くけどこれからどうするつもりなの、軍師の司馬仲達さん?」

「なっ…!そ、それは…!」

「不安なのはわかるけどね、これから、どうしてこうなったのかとかこれからどうするかとかの話をしたいわけ。わかるよね?」

「っ…!」

やっと冷静さを取り戻したように、顔を真っ赤にしながら司馬懿は口を塞いだ。こんな小娘になんて、と思っているに違いないだろうが、元々頭の良い司馬懿のことだ。自分の愚弄さがわかったのだろう。

部屋はやっと静かになり、洗い物を終えたが丁度良く来て、話が始まった。

















「…それでは司会進行を私が。」

「んなの、しなくていいってばっ!」

「兄ちゃん、姉ちゃん。」

話の始まりは、三人での漫才だった。

「ま、それは置いといて。司馬懿に趙雲に陸遜、よね?改めまして。よ。」

です。」

と、言います。」

三人が自分の名前を言い、改めてゲームから出てきた三人を見渡す。

「なんだか可笑しな出来事が起きちゃったけど、混乱しないで聞いてね?」

「それにこれは俺らの推測でしかないんだ。」

「だけど、ちゃんと聞いてよ。」












そして、ゲームから出てきた三人は、驚きを隠せない話ばかりをされた。

この世界は約1800年後の未来の日本という国だということ。

遊戯をする「テレビ」なるものから出てきたこと。

また、してはならないことも話をされた。

未来を知ろうとはしないこと。喧嘩はしないこと。などなど。

驚く話ばかりだったけれども、頭の良い三人はとりあえず、回路が繋がったようだった。















「まさか、違う世界に来てしまうとは…。」

ギプスをはめた陸遜がそう呟いた。

「異世界、と考えてもらった方が良いと思う。遊戯の中と私たちが知っている歴史は少し違うもの。」

「…このようになってしまっては、貴様たちに頼らざるを得まい。」

「そうですね…。」

の説明に司馬懿と趙雲が口々に言う。

「元の世界に帰れるかわからないけど、それまで俺たちが世話するし。」

「気楽にしててよ。」

そういうの言葉の気楽さに司馬懿と趙雲と陸遜は呆気に取られながらも、言葉を返した。








こうして、家五人家族+三人の共同生活が始まった。
















えぇっとお待たせしました(笑)なんだか内容の濃い話になっちゃいましたが、これからもちょくちょく書いていきたいなぁと。完璧ギャグなんで司馬懿の性格壊れ始めて来てます。もっとカッコイイ壊れを書きたいのに…(え)真面目な話も一話くらいは入れたいなぁなんて。司馬懿と趙雲、陸遜のどれをとくっつけようか悩んでます(笑)どうぞお付き合い下さいませ。