寛大な両親と焼きそば?









朝の日差しを受けて、は目を覚ました。

まだ夏休みのは完璧に生活リズムを崩していて、「朝」は「昼」だったこともよくあることである。

だから、朝の日差し…と言っても昼の日差しになろうとしている頃に目を覚ました。

「ぅ〜…。」

「あの…すみません…。」

「ぅぅう〜…。」

昨日の夜(と言っても、今日の午前2時ごろ)に聞いた様な声が上から降ってきた。

まだちゃんと覚醒していない頭に、それは良い薬となった。

「うぅ〜…ってぁあええあ??!」

「うわぁ!!っつ!」

は飛び起きて、その声の主を倒してしまった。

ちゃんと目を凝らしてみると、やっぱりさっきの声は陸遜で、床にまだ薬の影響で寝転がっているのは趙雲と司馬懿である。

「やっぱり…夢オチなんてしないのね…。」

自分の境遇…というか、昨晩のことを思い出して、少し落ち込んだ

さっきから声を出している陸遜の方を見ると、苦痛に顔が歪められていた。

そういえば…と昨日、捻挫かなんかしてたんだっけと思い出して、慌てた。

「うわっごごごめんっ陸遜!!怪我してたんだっけ??!」

「いえ…っ。」

陸遜の足を見て、は絶句した。

昨日は気づかなかったが、患部は赤く腫れあがっている。

「ヤバイ…っ!と、とりあえず、待ってて!!」

そう言って、は自分の部屋から出て行った。












下の、母がいると思われる居間に向かっている途中、はどう説明しようか悩んでいた。

(…いきなり、ゲームの人が出てきちゃったの!とか言っても、母さん、パニクらないかなぁ…。)

そんなことを考えて、居間に入ると、母とが昼ごはんを食べていた。

「おそよう、。ほらっ、ご飯!」

やはり母は普通だった。

が居るんだから、昨日の晩起こったことを話していても良い筈なのに…。

呆気にとられながら、差し出された焼きそばを受け取った。

「おい、。母さんには…。」

そこまで言って、また母に遮られた。

「そういえば、あの人たち、起きた?」

いつもの、ごく当たり前のことをいっている口調でそんなことを言葉にした。

それを聞いたは固まって、「お、驚かないの?」と声を震わせて、言った。

「まぁ、驚いたけど、事情はから聞いたから。うん、大丈夫よ、。」

至極当然に。

(あぁ…そうだな…俺たちの母さんだもんな…って!)

「微妙に納得したけど、母さんっ怪我してるヤツいるから、病院連れてってくれ!」

「はいはい。」

微妙に重い腰を上げて、母はテキパキとに指示を出し、車に乗っていった。

はと言うと、陸遜を担いで、車に乗せる。

さすがにあの赤い衣装は目立つのか、Tシャツと短パンに着替えさせていた。

「陸遜、医者んとこ行くから…とりあえず、見慣れないもんばっかりだけど―――驚かないで!!」

そんなことを叫びながら、一瞬にして、母とと陸遜は車で病院に向かっていった。













居間に残されたのは、いまだ焼きそばを食べている

三人が出て行くと同時に食べ終わった。

麦茶を飲み、やっと言葉を出した。

「…ねぇ、?」

「何、姉ちゃん?」

「…お母さんって凄いよね、お父さんもだけど。」

「うん。」

もう一口、麦茶を飲んだ。

朝、は出勤前の父と朝ごはんを作っている母に昨晩起きた出来事を話した。

滅茶苦茶驚くと思ったり、パニくると思っていた二人は、緊張して話した。が。

ネクタイを結びながら父は。

「父さんも無双やったことあるぞ〜!いいんじゃね?っていうか、司馬懿がいるのか?よくN●Kの『その●き、歴史●動いた!』で諸葛亮に苛められている??」

とか。

朝ごはんを作っていた母は。

「母さん、あんたの部屋にある諸司馬の同人誌見たことあるわ〜。ってその無双の人たちなんでしょ?別にいいわよ。」

とか。

何だかんだ言って、両親もオタクで寛大な心を持っているのである。実際、家には「北斗●拳」が全巻あったり、母の嫁入り道具は「エースを●らえ!」と「ヨコハ●物語」だったりもする。

とりあえず、両親の理解も示されて、二人は昼食を食べていたのである。

「ま、それは良いとして…ね、。」

「何、姉ちゃん?」

「……ってば、美味しい役を引受けていったわね…。」

「そうだね、姉ちゃん。」

考えてみれば、あの三人の中で、一番物分りが良いのが陸遜だと夢小説の相場で決まっている。その次に趙雲。そして、最後が司馬懿。

二人は溜息をついて、お皿を下げて、の部屋でいまだ眠り続けている趙雲と司馬懿の元へ向かった。















現場に着いて、現場長じきじきではないが、隣の現場長のがまず起こしにかかる。

巧みにこの「現場」は部屋を意味している。

、優しく起こした方が良いかな?」

「別に良いんじゃね?」

「ん。わかった。――起きんかいっ!!」

げしっと音と共に枕を二人の顔面めがけて当てた。

「「ふぐっ!」」

そんな音がまた聞こえた。

「っ…!!こ、こは…?!」

「な、何が起きたのだ…?!」

趙雲と司馬懿が口々にそう言った。

。」

「んっ。」

はそうに合図を出して、焼きそばの入った皿を二人の目の前に出した。

「―――とりあえず、二人とも。お腹減ってるでしょ?この食べ物でも食べながら、ちゃぁんと説明するから――。」

それは天使の笑顔。

けれど。














「――まず、食え。」

瞳は戦場のもので趙雲と司馬懿は戦慄を覚えたのだった。


















早く三人を喋らしたいです…(え)