あるところのある産婦人科医の災難









私の目の前にいる女の子。

女の子にしては少し長身で、黒髪が綺麗な女の子。

凄く真面目そうなのに、どうしてなのだろう。

診察室に入ってすぐに。







「先生。妊娠しました。」







そう言って、私や、看護師たちを唖然とさせた。

聞くと、歳は16歳だという。

ちょっと待て。まだ高校生だろう。

痛む頭を抱えて、一通りの検査をした。

「……おめでとうございます。まだ初期なので、反応は少ないですが…。」

診断書を見ながら、そういった。

するとすぐに。







「産みます。」








きっぱりと、言った。

というか、この女の子は普通の女の子じゃないと私は思った。

意志を曲げない、冷静に判断できる子。

凄いとは思うけれど、私はそれに恐怖を感じた。

何故なら、「なんか言うとしばくぞ、コラ。」的なオーラを発していた。いやマジで。

「いやね…その、さん?君はまだ16歳で高校生で」

「兄や姉には了解を得ています。」

どんな家族やねん。

「だけどね、学校はどうするんですか?それと、相手の男の方もちゃんと呼んで来ないと。」

「大丈夫です。先生。学校はうちの兄が裏工作してくれますし、相手の男はどっか行きましたけどうちは大丈夫です。」

そういえば、家といえば、この辺で大地主でしかも元華族のお家柄…。

それを無視しても、私はこのさんの性格は人間として苦手なのだった。

普通とは違った彼女を、来週また診断にきなさいと言って、帰した。

なんだか、頭の痛くなる。

今時の若い者はとか、思いながら、次の患者に移っていく。

10ヵ月後に、あんなに顔の表情がなかった彼女が泣きながら我が子を抱く姿を見るとはその頃、思わなかった。







ある意味コントです。コント。ちゃんは極度の人見知りをするのです。