わがまま







あの日を境に、と陸遜は近づくことが出来た。




現在、の散らばった本の部屋に二人で、陸遜が読めそうな本を探している。

「陸遜、これはどう?」

「じゃぁ、それもお願いします。」

「判った。」

そう言っては持ってきたダンボール箱に本を入れた。





以前もこうやって、ダンボール箱一杯に本を入れたのだが、陸遜はそれを短時間で読み終わってしまう。

何回か、こうやって、興味がある本を探しに来るのだ。

何故か、の通称「本の部屋」は恐ろしい数の書籍があるのだった。






「しかし、殿のこの部屋は凄い数の本がありますね。」

「代々長男に引き継がれてる部屋なのよ、ここ。だから、こんなに古い本があるってわけ。」

「なるほど。」

少し埃がかぶっているが、どれも保存状態は良かった。









「――さてと、そろそろ良いんじゃない陸遜。この量があれば、数日は読めるでしょ?」

「えぇ、ありがとうございます。。」

身体についた埃を叩いては本の入ったダンボール箱を持った。

、私が持ちますよ。」

「いいよ、私力ある方だし。」

「力がある方だとしてもこの量は男が持ちます。さぁ、貸して下さい。」

「…はい。」

陸遜の言い返せないセリフには素直にダンボール箱を渡した。

実際、重かったのだ。

少し目線をあげると、すぐに陸遜の瞳と視線がぶつかった。

その綺麗な顔に見とれる。







「…?どうしました?」

「―ぅうんっ!何でもない…。」

頬が熱くなるのを感じて、慌てて下を向いた。





「あ、。ちょっと失礼しますよ。」

「え?」





陸遜は持っていた箱を足元において、に手を伸ばした。

陸遜の手の感触が頭から身体に伝わる。






「こんなに埃が…今取りますよ。」







彼の優しい声が耳元でした。

それだけで、足の力が抜けそうになる。









「う、うん…。」

はそう呟くのが精一杯だった。












好きだとお互いに気づいて、近くに居て、触れ合いたいのは自然なこと。









の艶やかな黒髪についている埃を取りながら、陸遜はそんなことを思っていた。




この人を好きになって初めてわかった自分の中の雄。




こんなにも熱くなるなんて思わなかった。

「――終りました。」

「ありがとう…。」

は真っ赤になった顔を陸遜に見せないように、出口の方へと向いた。










その振り向き様に見えたの首筋が陶磁のような綺麗な肌で、陸遜は一瞬、我を忘れた。









「!陸遜…?」

彼に抱きつかれたのだと、すぐに理解した。







…触れたいと思うのは私の我が侭でしょうか?」







陸遜の息が、かかって、身体が熱くなる。

今まで見たことのない、陸遜の熱い瞳が見えた。





「…ううん…我が侭じゃないよ。だって、私の方も貴方に触れたいと思っていたんだから。」

少しだけ高い身長の陸遜に腕を回して、見詰め合った。

のその言葉を聞いて陸遜は満足したように「そうですか」と呟いた。










交わした口付けは熱かった。










男は狼なのよ〜♪きをつけなさぁい♪ってことですよ(え)ちょいと予告。次回か9話目は裏的要素が入ります。もうばっちり。エセ陸遜だけれど…(死)