| おもい
はそのまま私の腕の中で意識を失った。 冷え切った身体から、彼女の心を縛る悲しみが伝わってくる気がした。
「たとえ必然であろうと、繰り返しても、私は貴女のことが好きなんです、。」
言葉にする想いは真実です。 その後の言葉を彼女に聞こえるように祈りながら、その身体を抱いて、彼女の部屋に行った。
夜が明けて、また今日も良い天気になりそうな日差しが射してきた。 (――…暖かい?) まだぼやける頭でそんなことをは思った。 重い目蓋を開けるとそこには近くにあった椅子に腰掛けて、寝ている陸遜がいた。 はと言うと、簡単にだが、着替えがされていた。 「…陸遜…。」
そうだ。昨日の夜、私は彼の前で言ったんだ。
の想いのたけを彼に言った。 あの時、自分は発狂していたのではないかと思ってしまう。 それだけ、言っていたんだ。 ただ、前のような苦しみはは感じていなかった。 「……言葉にだして、判ってしまったのかな、私…。」 ぼろぼろの私を、陸遜は抱きしめてくれた。 その暖かさだけが支え。
は陸遜に近づいて、彼の頬に触った。 暖かい感触が指の先から身体の中に伝わる。 「――…?…?」 陸遜が目を覚まし、は触っていた腕を引っ込めた。 「おはようございます。。」 の大好きな笑顔で、陸遜は語りかけた。 「身体、もう冷えていませんね。風邪を引いてしまうかと思いましたよ。」 陸遜がの額に自分の額を当てて、お互いの息がかかるくらい近くに来た。 熱が無いとわかって、額を離した。
「……りく、そん…。」 「何ですか?。」
言葉が上手く出せない。
「……昨日は、ごめんなさい…。」 は俯いて、それだけ呟いた。 陸遜が近づいて、の手を握った。 その感触に驚いて、身体が強張る。 「わ、私はっ」 「、どうか私の話をきいてください。」 陸遜に遮られ、顔を上げると、彼の綺麗な、けれど、まっすぐな瞳でを見ていた。 「…。」
「……私は、私のことをこんなに想ってくれる貴女が好きです、。」
朝陽が射して、まぶしくて、視界が霞む。
「――ダメだよ、嫌だよ…っ陸遜…!」 「貴女が言うように、必然だとしても、この想いは真実です。そして、きっと、私はいつか貴女を庇うことがあるでしょう。」 「―っ!駄目だよ…っ!!」
頬を伝う水は重ねられた手に落ちていく。
「繰り返してしまう…!私は貴方に死んでほしくない…死んで欲しくないんだよ、陸遜…。」 「…けれど、すでに運命でさえ、繰り返すことが出来ないものがあります。」 「…え?」
一層、重ねた手が暖かく感じた。
「…と私のこの想いです。」
私は、この「運命」をまた繰り返してしまうと思った。 目の前で死ぬ彼。 救いたくて、遠ざけていたのに、好きになった。 また「悲しみ」繰り返してしまうと思った。 けれど。 陸遜は「繰り返すことの出来ないものがある」と言った。 陸遜の顔を見て、安心している私がいる。 彼は「想いだ」と言った。 『悲しみ』だと思ったのに、こんなに心は満たされている。 惹かれあうのは運命。 けれど。 今、私たちの心にある想いは真実。
「――陸遜。」 「何ですか、。」 「陸遜のこと、好き。」 「私も、のことが好きです。」
交わした言葉は繰り返すことの出来ない確かな想い。
これまた難産(汗)だんだん判りませんね、ホント(汗) お互い好きになったら、また「悲しみ」が繰り返されると思っていたんだけど、想いは今、このときのものが真実。もし別れてしまっても、その想いが二人を繋ぐんだということを言っているんだと思います(汗) |
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