やくそく









私は荒野にいた。

錆付いた匂いと土気色の人たち。

怖くて泣いていたら誰かが私に気づいて近づいてきた。

怖くて怖くて必死になっていたけど。

その人は私の頭を撫でて「もう怖くないから」と言ってくれた。

――遠い遠い彼方の出来事。

いつの間にか、掌には不思議な色の鉱石が握られていた。



















「――…んっ…。」

朝の日差しがカーテンのすき間から射してきて、高校一年生のは目を覚ました。

朝食にするよと姉が叫んでいる。

だるい身体を起こして、制服に着替えていつもとは違う朝に眉をしかめた。

「とうとう私の番か…。」

机に置いてあるピアスの鉱石が「紅」色に光っていた。













「とうとうちゃんの番だね〜。どう?今日夢見たでしょ。」

姉のがごはんをよそいながらに渡した。

「んー…みたよ、姉さん。」

のときは紅色か…呉かな?」

新聞を読んでいる兄のが普通に言った。

「兄さんのときはどこだったの?」

「俺んときも呉だよ。は蜀だったっけ?」

「うん。」













代々、家は鉱物のピアスをしている。

それが光ると、昔の人が、俗に言うタイムスリップするのだ。

それが自分だったり、昔の人がこっちに来てしまったり。

たち兄姉妹の場合、兄のが持っているゲーム「真・三国無双」のキャラが来ている。

今までは、小説とか架空のビジュアルの人は来なかった。

「何か変ってきているんだろうな、俺たちの代で。」

歴史学者の兄はそんなことを前ポツリと漏らした。

そして、それは決まって16歳、17歳思春期のときに現れる。

来る合図は「夢」。

家にとって、暗黙の了解だった。

けれど、兄や姉は自分の番が来ることを、怖がっているように見えた。



















「どんな夢だった?」

「赤い人が私の頭を撫でる夢。」

「じゃぁ、こっち来るわね。」
















黙々と朝食をとって、会話をする。

父や母は数年前、過去に行ってしまった。

それ以来還ってこない。

祖先なんてこんなことしょっちゅうあったから、もう驚くこともない。

それは運命だから。



















、もし、誰が来たって情を移すな。ただ、辛いだけだ。」

それは経験上の兄の言葉。

ちゃん、わたしたちはただの仮宿。」

それは経験上の姉の言葉。

「私は…大丈夫だよ、姉さん。兄さん。」

それは推測の言葉。

























カバンを持って、広い玄関で靴を履いた。

広いだけの庭で、空を見上げると澄んだ蒼色が広がっていた。
















「――やくそく、したよね?」




























呟いて、影が来て、そこには赤い装束に身を包んだ陸伯言が横たわっていた。

















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やっちまいましたよ…。陸遜、頑張れ。

変な設定の兄姉妹ですが、キャラ紹介んとこで見てください(え)

これからとしては、シリアス風味かな?