sanctuary









結局、気を失った趙雲は兄さんに担がれて、家まで運んだ。

傷の処置は全部兄さんがやってくれた。歴史学者のクセにどうして医学が出来るのよ。

「じゃ、は趙雲の傍に。気がついたら事情話せ。」

「判ってるよ、兄さんっ!」





けが人が寝ているっていうのに、私ってば顔がにやけっぱなしだ。

なんてったって趙雲!蜀贔屓してる私にとって、滅茶苦茶かっこいい趙雲が来た。試験の結果なんてもうどうでも良いくらいに嬉しかった。

兄さんが出て行った後、私は彼の横に座って彼の整った顔を見る。

枕元には脱がされた鎧と武器…これって第三武器かな?なんて考えてる。

趙雲の顔に見とれて、自分ってなんてミーハーで危ないんだろう、とかも考えてる。









「――…ぅ…っ。」

そんなことをしていたら、趙雲が気がついたみたい。

「大丈夫?趙雲??」

「――み…ずを…っ。」

「お水っと…。」

すぐに、私の横に置いておいた水差しで口に流し込んだ。

結構な量を飲んだと思う。

飲み終わって、一息ついて、やっと彼は瞳を開けた。








「ありがとうございます…ここは?」

「ここは私の家よ。私の名前はと呼んでね、趙雲。」




にっこりと笑って、一応自己紹介をしてみた。あぁ、顔が…にやける。




「では、…私は一体どうしたんですか?私は先ほどまで戦で…!そうだっ阿斗様は?!」

いきなりがばっと起きて、阿斗様のことを叫んだ彼。そっか、ベビーシッターだもんね。

「まずは、私の話を聞いてよ、趙雲。」









なるべく、判りやすいように、事情を説明した。

家のこと。

鉱物の特殊なピアスのこと。

ここは日本と言う国で、蜀や魏、呉とはまったくちがう異世界のこと。

そして、趙雲はゲームの人だということ。








「…それと、これは私に聞かないでね?」

「?」

「歴史を教えてくれなんて言わないでね?ここは異世界でもあるし、未来でもあるから。あと…いつ還ることが出来るかとか。」

「……。」

私の話を聞いている趙雲は気力が少し無いように見える。

そりゃ、いきなりこんな異世界に飛ばされたものね。







「まぁ、今は傷を早く治してね、趙雲。」

「―…はい。」

私はせかすように趙雲を寝床に寝かせる。

まだ混乱している頭で、彼は私にこう言った。









、私は貴女に会ったことがあるように感じる…。遠い…遠い、ゆ…めで…。」










疲れて、言葉が上手く出なくて、彼は眠りに落ちた。

その言葉を聞いて、笑みがこぼれてしまう。









「…夢の中で、私たちは出会っていたんだ…。」










神聖なる夢の中で、私と趙雲の運命が動き出した。










ちゃんより姉さまの方が動かしやすいー!!(滝汗)どこまでも前向き思考なさん…。いいのかこれで(爆)