ある日突然の。





それは出来事。






また、私は司馬懿の前で泣いた。
















学校で、友達と話しているを『彼』は見つけた。

…。あの人…。」

「え…?」

友達の視線の先には、少し前まで、と親しかった『彼』が立っていた。

と『彼』と目が合って、そしてふわりと、笑った。

『彼』とのすれ違いざまに、言われた。





――他の男がいるんだな。





それはを非難する響きか、けじめの響きか、分からなかった。

ただ、は何も言わずに、通り過ぎた。













その夜、は普通に過ごした。

司馬懿と他愛のない話をして、ベットに入った。

もう梅雨も終わりかけなのに、また雨が降っている。





雨の音が今日も部屋に響いた。





司馬懿との部屋を仕切る、襖が開く音がした。





「…どうしたの?司馬懿?」

「……私が気付かないとでも思っていたのか?。」

「何が?」

いつもの、声、で答える









少しの沈黙のあとに、続けた。





「『他の男がいるんだな』って言われた。変だよね、私。」

暗闇の中、声だけが響く。

「『彼』にそんなこと言われたくなかった。司馬懿のこと、そんな風に…。」













――また、私は泣いた。

気付いてしまったこの気持ちに嘘はつけないのだろう。

まるで、貶されたかのような響きで、胸がむかついた。

けれど、それと同時に、悲しくなった。

自分のとった道は違っていたのか?

きっと『彼』にとっては違っていたのだと思う。













「そう言われて、頭に来た。けど、怖かった…。この気持ちが…。」

の一言一言を司馬懿はただ聞いていた。

「ね…司馬懿…怖いの、私…。」

雨の音がまた一段と大きくなって、それと同時に腕が背中を抱く。









「――私はこの世界にとって、お前にとって異邦人だ。私にとって、異例のことだ。だから、今まで持たなかった感情もこの世界で、お前から手に入れた。」

「…うん。」





「だが、私はその感情の名前を言わない。」









抱きしめる腕に力が篭った。









「言わない。が…お前と私のこの感情は同じものだ。それだけは、信じろ。」













それだけ、に囁いて、一つの証を残す。









互いに手に入れた感情の名前は、まだ付けない。呼ばない。













雨の跳ねた水滴が窓にあたる。









この雨が上がると何が見えるのだろうか。













雨が上がると。













何が













来るのだろうか。






















おおおおお久しぶりですorzちょこっと展開を動かせました…。これから終わりに向かって頑張りたいと思います…。

20081008 伊予