お守り








「りょぉーとぉー!」

出陣の準備をしていたとき、またうるさい女が来た。








「なんだよ、。うるせぇな。」

「何よ、そんなに嫌そうな顔しないでよね、凌統ってば!」

「うるせぇ女にうるさいと言っただけだ。」

「むぅー!」







表情がころころ変る女。

俺は昔からこいつがどうも苦手だった。

昔から俺の後を金魚のようについてくる

俺の後を追うように、女ながらも武将になった。

そんな彼女を一瞥して、準備の続きをした。







「また無視してるな!もぅ、ちゃんと話聞いてよ!」

「はいはいっと。で?何の用で来たんだよ?」

「えへへ〜…はい、これ。」

俺の目の前には掌を出した。その掌の上には小さな巾着袋。

「なんだよ、これ?」

「お守り。」

「は?」

さっきまでうるさかった女が今は少しだけ静かになった。

本当に表情がすぐに変るヤツ。

「だから、お守り!甘寧とケンカしないようにと…。」

彼女はそこまで言葉を切って続けた。











「――無事、帰ってきますようにって。…だから、お守り。」










こんなをみるのは初めてで、俺らしくもなく戸惑う。

だから、彼女の顔を見ないようにそれを奪い取って懐に入れた。









「――バーカ。慣れない事してんじゃねぇよ。」










「えへへ…行ってらっしゃい、凌統。」












いつもの彼女の笑顔が見えた。

「……。」











それを見て、頭に手を置いて、すれ違い様、俺は「行ってくる」と呟いた。










初めての凌統です…柚味さん、リクエストありがとう(爆笑)

凌統に見えますかね?(汗)

20050329 伊予