| 引き込まれるのを我慢する
そっちまで行ったら、あたしはきっと溺れてしまうだろう
けれど それが強くて
おぼれてしまう
いつものように、事務所の自分の机で仕事をしていたときに、それは起こった。 いつものように色彩が逆転する。 「あれ?――あっちゃ…。」 いつもは調査中になるのに、どうして?なんて頭のどこかで考えた。
少し先のほうで、いつも見る「彼」の笑顔が見えた気がした。 現実では、そんな顔しないのに。たまにしか、多分、しないのに。 どうして? そんな疑問が出てくるけれど、その笑顔に安心している自分がいた。
―――まるで、別人みたいだよ、ナル…。
そう呟いてみると、ストンと心の中にその言葉が落ちた。 自分は一体誰に恋をしているのだろう? 現実のナルに? それとも夢のナルに??
疑問ばかりが出てくる今日の夢に、あたしは少し頭が痛くなった。 チクリと、胸が痛くなって、泣きそうになって。
机から見る景色に戻った。
「――なんだったんだ、あたしって。」 言葉が宙に溶けて、現実のナルが所長室から出てきて、常套句になっている言葉を言う。
それを聞いて、あたしは給湯室に行こうかと立ち上がると、突然腕をつかまれた。
「ど、どうしたの、ナル?」
ナルの瞳を見る。 漆黒の闇が広がってる。 最初のときと変わらずに。 けれど、夢のナルとは違う色。 その瞳が強くて、溺れてしまう。
「――…いや。」 暫く見詰め合って、ナルはあたしの腕を放した。 放されて、血が上ってくるのがわかる。 興味を持たれないのに、腕をつかまれた。
それだけで、もう引き込まれそうになる。
あたしは、どっちのナルに恋をしているんだろう。 胸の高まりは、今ある現実のものだけれど。 鼓動が早くなる。
息が苦しい。
初GH小説です…。私的に麻衣ちゃん、ちゃんとナルを好きになってぇええええ。夢のあの方よりもっ!!(えー 2008 7 27 |
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