あなたにこの言葉は届いていますか?












「―――ねぇ、司馬懿?」

彼がきた世界と同じ月が浮かぶわたしのこの世界で、わたしは隣にいる司馬懿に声をかける。









「…なんだ、?」












彼の低い声が、わたしの部屋の隅々まで、もちろんわたしの身体の隅々まで行き渡る。

それだけで、切ない想いがこみ上げてくる。

夜空に浮かぶ月も、星もベランダに立ったわたしたちを見下ろしていた。









「最初に会ったときの事、思い出してた。」

「貴様は泣いていたな。」

「あはは、そうだったね。」












土砂降りの雨の中、雨か涙かわからないものでわたしは司馬懿と出会った。










偶然と言う名の必然で。

はたまた、雨の悪戯で。

その悪戯でわたしたちはお互いを知った。

まるで雨に打たれてる子猫のように寄り添って。

けれど、支えあって。












夜風が、酷く寒く感じられた。

けれど、心は温かい。











「――いつまで、貴様の傍に居られるのだろうな、私は。」







ぽつりと、司馬懿がそう口にした。








「――わたしだって、わからないよ、司馬懿?」






わたしにはわたしの道があって。

司馬懿には司馬懿の道がある。





それが交わって出会ったわたしたちの交わりはとても切なくて





―――――愛しい







今だけは。

今二人いるこの瞬間だけは。
















「―――大好き。」















唐突に消えそうな雰囲気でアンバランスなわたしたちの世界の均衡が感じられても。








「………。」















わたしを抱いてくれるその暖かさが愛しくて。

彼の声とその存在だけが今のすべて。

いつかはわからないけど。















ずっと。






















ずっと。

永久も。






















――あなたにこの言葉は届いていますか?





















あとがき:あいはらさん主催の無双異世界夢祭に献上させていただいた作品でーす(笑)実はうちのサイトの「rain」の最終話みたいなカンジでしてみたかったのです。20060718