07:好き










喉元まで出掛かったこの言葉は 永遠に言えないだろう











「ネェ〜スッ!」

自室で本を読んでいると、いつものようにトリスが入ってくる。

「…また君か、トリス…。」

「えへへ〜。」

悪戯な顔をしてくるトリスに僕はいつものように溜息をついた。

「…で、今日は何なんだ?」

本の方にまだ気を取られながら、言う。









「えっと、暇だったから、じゃ駄目?」









上目遣いにそう言われて、少しだけ飽きれて。







―――少しだけ、胸が締め付けられた。














「――馬鹿か、君は。まったく、髪の毛もボサボサにして。」

そう言って、トリスの柔らかい髪の毛を触った。

それが指に柔らかく絡むような気がして、意識が飛ぶような感覚を覚えた。








「む〜…ネスってば!」













やはり君が愛おしくて仕方ない。

君が一喜一憂するたびに、僕の心はかき乱される。

いっその事、壊してしまいたくなる。










『ネス』













そう呼ばれるたびに、それは僕に対する魔法の言葉。

喉元まで出掛かっている言葉は永遠に言えないだろう。

柵に囚われ続けている僕には。










せめて。













君を守らせてくれ。














―――この気持ちは嘘なんかじゃないから。














ネスティさん独白。というか、ネストリ自体久しぶりなので口調を滅茶苦茶忘れてました(汗)う〜む…久しぶりにサモナイ2やろうかなぁ…。

とりあえず、もがき苦しむ言葉としての「好き」ってことで(え)

読んでくださいまして、ありがとうございました。

20050908 伊予