2:王子様








「ハーマイオニー。クリスマスさ、みんなでパーティーしない?」






談話室で分厚い本を読んでいたハーマイオニーが「え?」とロンに聞き返している。

僕にいたってはネビルと一緒にその様子を表情に出さないように見ていた。

こんな面白いこと、やっぱり見逃せないしね。




「でもクリスマスは大広間で食事があるじゃない。それだけで充分じゃないのロン。」

「グリフィンドールのみんなだけでやるのさ。フレッドやジョージは誘わないけど。」

そうちょこっとだけ冗談を含めてハーマイオニーを誘っているロン。







僕は知っていたりする。

ハーマイオニーにクリスマスプレゼントを買っていて、どうやって渡すか悩んでいることを。







その様子を思い出して僕は笑ってしまった。







「…でも、早く寝たいし…。」

大きな本を抱えて呟くハーマオニー。

それを見てロンは大きな溜息をつくと、あの双子のように言った。







「――姫、僕とお付き合いくださいませんか?」









どうしても一緒にパーティーをしたいらしい。

そりゃ、あのプレゼントも渡さなくちゃだしねぇ。





「…ふっふ…はっあはははははっ!!わ、判ったわロン!付き合ってあげる、王子様!」





よほど面白かったのか、難しい顔をしていたハーマイオニーが爆笑した。

心なしか嬉しかったのか頬が赤くなっている。

もちのロンでロンも。




「よかった〜!ありがと、ハーマイオニー。」





なんだか、二人の間だけ、お花が飛んでいるようだった。

パーティーもこんな調子なのかなとか思いながら、ネビルと目を合わせた。

二人で大きな溜息をついた。

君たちは本当にお姫様で王子様だね。


ハリー称のロンハーらしきものです。…いやん(何)

2005年1月18日 伊予