08:息もできない









廊下で、スリザリンの集団とすれ違うたびに、ドラコ・マルフォイを探してしまう。

そして、いつも見つけてしまって、瞳が交差する。

最初は鼻で笑われたけど、今は気にならないのか何も言っては来ない。











いつも、夜に会う度に、彼という人を知っていった。







あの冷え切ったブルーアイとプラチナブロンドの高貴な姿は私のこのくすんだ赤毛とはなんて違うんだろう。

けれど、そう思って顔を伏せていたある夜に彼はこう言ったわ。







「――…確かにくすんだ赤毛だな。下品で、面白みが無くて…。お前はそうでなくちゃいけないんだよ、ジニー。」







あの独特な笑みでそう言われて、少し涙目になった。

続けて彼はこう言ったわ。












「……他の男に取られない為にもな。これは僕のものなんだ。」















そう言って、私の涙を彼の唇で拭き取られた。

あのとき、また胸が苦しくなった。

いつもそう。彼と居ると胸が苦しくて。











――――息もできない。













すれ違うドラコと目が合って、ふっと笑われた。

まるで「なんて顔をしているんだ」と言っているように。

また、胸が苦しくなって。














息もできない。
















久しぶりのドラジニです。うぅ〜む。リハビリ中です。