お大事に







「ジニー、あんた、熱あるんじゃないの?」

いきなり、ルーナがジニーのおでこに掌をくっつけた。

「そんなことなわよ…ただ、ちょっと風邪気味なだけ。」

「ポンフリーんとこいきなよ。」

いつものポワワンとした調子でルーナは言う。








(昨日、ベンチで昼寝したからかなぁ…。)

「ルーナ、あたし、先に寮に戻ってるわ。」

「判った〜。」

廊下でルーナと分かれたジニーは「やっぱり熱ある」と呟きながらふらふらな足取りで寮に向かった。








大広間の近くまできて、窓際に、水のボールに入った赤い花を見つけた。

「きっと魔法で浮かせてるのね…先生がやったのかな?」

触るとポチャンと言ってまた浮かんだ。

それを少しだけ見て、ジニーは足早に行く。

後ろにスリザリンの貴公子がいるのも気づかずに。











夜。

ジニーが寮で寝ていると、額に冷たいものがあった。

それはとても気持ちよくて、熱が引いていく感じがした。

「――何かしら?」

目を開けると、周りに昼間見たあの水のボールに入った赤い花がいくつも浮かんでいた。

「…っ!」

ジニーは赤い花を見て、また顔を赤くする。










『君のような赤いヤツには赤い花を。――お大事に。  ドラコ・マルフォイ』









一つのボールに浮かび上がった言葉。

皮肉な言葉だけど、何故か響いた。






お見舞いお見舞いお見舞い〜(爆笑)どうして、ドラコは素直に大丈夫かくらい言ってくれないんでしょうね(え)

読んでくださいましてありがとうございました。

2005 0327 伊予