海原







この星には海がないというけれど

僕はそうは思わない

だって

こんなにも綺麗な

『海』があるじゃないか...







「まるで…昼間のようですわね…。」

隣に座ってヴァッシュと一緒に星を眺めていたメリルはそう呟いた。



メリルが「彼女」が歌っていたあの歌を知っていることにも驚いたヴァッシュはまた驚かされた。

それは、以前「彼女」も言っていたことだったから。



「私、何か変なこと言いました?」

「…いや、つくづく君は…不思議だな、と思ってさ。」

クスと微笑みを返すとメリルは少し赤くなっているようだった。

「だって、こんなに一杯の星が輝いてて、月も3つもあって。昼間のように明るいとは思いません?ヴァッシュさん。」

「…うん、そうだね…。」


ふと、メリルの表情が曇った。



「…?」


「…わ、私は…ミリィのように素直で可愛い女性じゃありませんわ…。だから、こういう時でもあなたに…ヴァッシュさんに掛ける言葉も少なくて…。」




「でも、君は…君は僕のこと、見ていてくれているじゃないか…。」

「…え?」

星の輝きで顔がぼやけて見えた。

「僕はそれで…とても感謝してるんだよ…メリル。」




そう、いつか『彼女』も言っていたように

僕というちっぽけな星を包み込むような海があるんだ。




「ねぇ、僕はね、この星にも海があると思うんだ…。」

「え?」

風が通り過ぎると、肩の傷が少し痛み出した。



そっとだけれど、ヴァッシュはメリルの肩に寄りかかった。

メリルも何も言わなかった。

それだけで伝えられた。




「…そう、ですわね…この星にも少なからず『海』はあるかも知れません…。傷ついた星を癒すための…ね…。」

「…うん…。」





夜空という『海』に

『星』が

散りばめられて

僕は

君という『海』に

身を任せよう






あとがき

コンセプトは何?!って言っていいほどヤッバイくらい下手な小説ですね。

久しぶりに書いたヴァメリ小説はなんですかー?!

巧みに最初はアニメのあの場面を思い浮かべていたのですが…(汗)

でも、やっぱりトライガンはよいね!!

つか原作、ウルフウッドさん死んじゃったよ!!!

ミリィを残して逝くなーーっ!!!←お前が逝っとけ。

読んで下さいましてありがとうございました。

2004 1月25日 伊予