帰る場所

いつからか貴方はあたしの大切な人になっていたね…。
そばに貴方がいるのが普通だった。
貴方の瞳には誰が映っているの?
「君はバカか?!トリス!」
貴方の口癖を毎日聞いていてそれがいつの日にか言われるたびに心を動かしていた。
「まったく……こんなこともできないなんて!」
そんなこと言われていても自然と笑みがこぼれてくるの。
「いいじゃない、ネス!」
「よくないっ!」
毎日怒られるのが嫌にならないなんて。
貴方は知ってる?
貴方が傷つくとあたしも苦しくなって悲しくなって…。
だけど貴方はあたしが落ち込んでいるとき優しく接してくれた。
運命を感じても。
それは貴方が強い証拠。
―――そんな貴方がいてくれたから
       あたしも立ち向かえた―――
「ネスッ!ネスティ〜〜〜ッ!!」
あたし貴方が好き。
   世界一好き。
だから待つわ。
約束を果たす日まで。
だって貴方はあたしの
帰る場所なんだから。
                               fin