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輝石
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「ねぇ、ネス。」
少し夕闇のかかった時刻、いつものようにトリスはネスティの部屋にいた。
ネスティはというと本に没頭している。
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「なんだ、トリス?」
本から目を離さず、ネスティは問いを返した。
「・・うーんとね、ネスは召喚術を使うとき、何を考えてる?」
「なんだ…?それは。」
「いいから、答えて。」
突然のわけのわからないトリスの質問にネスティはただ困惑するばかりだった。
じゃぁ、逆に...というわけで。
「じゃあ、トリス。君は何を考えているんだ?」
あたし?とトリスはいいながらエヘヘッと笑い話し始めた。
「…あたしは...そーだね、召喚術って召喚獣を使役するでしょ?
あたしはそんなこと考えてなくて、その子の中の輝石を見るんだ、まず最初にね。」
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「輝石?」
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「あたしが勝手に言ってるだけなんだけど...みんなにその輝いてる石はあるんだ。
あたしはそれが好きで。だから召喚獣を友達って考えちゃうんだろうね。」
まだ物言いたそうにトリスはそれを語りつづける。
「その輝石はあたしの中にも...もちろんネスの中にもあるんだよ?
誰にでも見れて探せるんだ。
あとね、その光は暖かくってね、なんていうか…やさしくしてくれるの。
だからあたしはその子の輝石を大事に、
壊したりしないようにやさしく想いながら召喚するのよ。」
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きっとこの考えも何にもかえられない血なのだろうか。
ふと、ネスティはそんなことを考えた。
だけど、こんな風に感じられるトリスが限りなく羨ましい。
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「次はネスの番だよ?」
「…僕は….」
次の言葉が出てこない。
「ネス?」
トリスの声が遠く聞こえる。
こういう考え方をしていたクレスメントはどういう風にして僕らを救ったのだろう。
「…ネス?」
何も知らない君は何もかも忘れていても過去に言った言葉を言いつづける。
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それはネスティに対する拷問とも思えた。
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「ネス!!」
がばっとトリスが突然ネスティに抱きついてきた。
「ト、トリス…!」
「ちゃんと言って!」
「…。」
部屋に無言が続いた。
いつしか外は夜のカーテンがあった。
「…僕は…まだ、分からない…。」
「あたしの兄弟子なのに?」
「ああ...。」
少しうつむきながらネスティは言いつづけた。
「君のように...僕は、その輝石を見つけられるほど器用でもないし、
それに…君みたいに強くない….」
「…ネス。」
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「ごめんね、あたし言い過ぎた….」
「いや、君の言う通りだよ。」
ネスティの声が震えてるのがトリスにははっきり分かった。
なら....と、トリスの本心が。
「ネスが輝石を見つけられるまで答えが出るまであたし、
ずっとネスの傍にいるね。」
「トリス?」
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「たとえどんなことが起こってもあたし、ずっとネスの傍にいる。
大丈夫、あたし見つけるの早いし♪」
冗談か真剣に言っているのかネスティには理解不能。
しかし、本人はいたってマジメ。
そのギャップが面白くてネスティは笑い始めた。
「な、何よぅ…!」
「いや、なんでもないよ、トリス。」
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…きっとすぐに見つかるかもしれないな…。
えっ、なんでそう思うの?
だって…君は探すのがうまいんだろう?それだったらすぐに僕にも見つけられるさ。
そうすれば君の問いにも答えられる。
わかんないわよ〜、まだ見た時もないんでしょう?
だけど、君は僕がちゃんと輝石とやらを見つけるまで傍にいてくれるんだろう?
え、うん、そうよ。
なら、大丈夫。君がいるんだから。
fin.
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あとがきv(滅)
んぎゃぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!(滝汗)ごめんなさいごめんなさいごめんな…(以下エンドレス)相葉さんから頂いたミニスのお礼におくりつけたチョッパヤSS;しかもこれ、30分で仕上げたというこの不況!(何?)ああ、それなのにステキな挿絵まで描いていただいた私はなんて幸せ者でしょう!!(感涙)本当にありがとうございましたぁ!!…ってか自分、もうちょっとうまくなろうよ;
20020713 伊予
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