帰る場所

いつからだろう…君が僕の心の支えになっていたのは…。
いつもそばにいるのが普通で。
君が僕に見せる笑顔は太陽のようで。
「ネス!」
呼ばれるたびに胸の鼓動は早くなる。
「ど〜したの?」
その瞳がかわいくて愛しくて思わず笑う。
「――いや…なんでもないよ…。」
「むぅ〜…!」
どうして君は僕を惑わすんだろう?
君は知っているかい?
僕が心を殺して「君を殺さなくてはならない」なんて言ったときの心の痛さを。
だけど君は強かった。
調律者と融機人の運命を知ってもそれに立ち向かおうとしたんだから。
――そんな君がそばにいてくれたから――
「……トリス……。」
僕は君を―――
        愛してる―――
だから待っていてくれ。
約束を果たすその日まで。
だって君は僕の
帰る場所なんだから。
                                   fin