年に一度だけ
天の河

天に咲く星々

彦星と織姫の年に一度会える夜

キラキラ

キラキラ




「ヴァリラァ〜!!見てみてっほら、すっごい星!!」

さてさて、ここはお馴染みの公園、やたらと明るく、うるさい声の主はプラティだった。

「プラティ、少しは静かにしろ。夜なんだからな?」

明るい声とは反対に静かな、それでいて落ち着く声のヴァリラが言った。



今日もまたヴァリラとプラティはあの公園に来ていた。毎日毎日、もう日課と言っても良いくらいだ。

だが、この頃はプラティの聖鍛の仕事が忙しく、又ヴァリラも匠合の方の仕事が忙しくて中々来れない日々が続いていた。

今夜は久しぶりにお互いが会えた夜。

ここ最近は夏も近くなったのか、星空が空一杯に広がっている。

そして、あと一週間ほどで俗に言う、「七夕」だった。


「ねぇねぇっ、あの星が一杯、河みたいになっているのが天の川??」

「あぁ、そうだ。今夜はよく見えるな。いつもは雲で隠れて見えないのにな。」

プラティが指差す先には大きな河、星々が散りばめられた河があった。

「へぇ〜、じゃぁ、今夜は得したね♪ヴァリラと一緒に見れたしね。」

プラティが発した一言に思わずヴァリラは頬が熱くなるのを感じた。

この天然の性格、なんとかならないものかと幾度と無く心の奥底で繰り返す。

「そう言えば、天の川の反対岸にはそれぞれ、彦星と織姫がいるんだよね?」

またプラティが空を指す。何気に星座には詳しいようだ。



「ロマンチックだよね〜…。でも少し、悲しいかな…。」

「何故だ?」

うっとりしながら、けれど少し寂しそうな声でプラティが言う。

「だって…一年に一度しか会えないんだよ?それじゃ、寂しいし、それに可哀想。わたしだったら…耐えられないよ。」


少し、声が沈む感じがした。



「オレなら…耐えられるな。」

「えっ?」

ポツリとヴァリラが吐いた。

「オレだったら、だけどな。寂しくなるが、だが、会った時の嬉しさは一杯だろう?そうじゃないか、プラティ?」

ポンッとプラティは自分の頭に何かに撫でられた気がした。

それがヴァリラの手と判断するのに時間は要らなかった。

「…うん。」

「だが、やっぱり寂しいのは変わりないがな…。」

くしゃくしゃと頭を撫でられ、髪の毛を遊ばれる。

「うん…ねぇ、ヴァリラ。」

「…なんだ?」

少し、顔を赤くさせ、プラティはヴァリラの方へ向く。

「…わたしは、『一年に一度』は嫌だからねっ。」




一年に一度より

毎日毎日

傍に




「オレだって、嫌だからな。」

頭を触っていた手をプラティのオデコにペチンッと軽く叩いた。




ただ、それだけの夜。

彦星と織姫だけが、その若い恋を見守っていた。


オワリ




ヴァリプラってどうもラブラブ出来ませむ…(汗)だって本編じゃあんまりラブラブしてなかったじゃない〜!!(><;)ってか私の文才が無いからなんですけどね;七夕…皆さんは何をお願いします?(笑顔)

読んでくださってありがとうございましたv

2003 7 1 伊予

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