先を歩いている貴方の背中が見える。
砂漠の砂達に足を取られもせず、まっすぐに歩いていく。
その背中がどのくらい悲しく見えたか。
どのくらい、素敵に見えたか。
貴方は
知らない。

砂漠の砂だけが知っている




「ちょっと!ヴァッシュさんっ!!先を行かないでくださる?!」
息を切らしながらベルナルデリ保険協会のOL、メリル・ストライフは逆ギレとも言える声で人間台風、ヴァッシュ・ザ・スタンピードを追っていた。
「保険屋さんが勝手についてきてるだけでしょ〜?」
「あなた、まだご自分の身分が分かってらっしゃらないのね?!いいですか?!あなたは…っ!」
「は〜い、止め、止め。お二人さんたち。夫婦喧嘩は他でやってや。」
「そうですよ〜?先輩。旅はみちのくって言いますし♪」
「…ミリィ…。それ思いっきり間違ってますわよ…?」
万年新婚カップルのウルフウッドとミリィが仲裁に入る。ってか仲裁というほどではないが…。
この光景をヴァッシュは楽しそうに見ていた。
笑顔が小悪魔的である。
「あはは〜。じゃ、保険屋さん!僕先に行くからね!」
手をかざし、また先を歩く。
「あっ!またっっ!ヴァッシュさん?!」
先を歩くヴァッシュを追ってメリルはまた走っていった。
小柄な体で白いマントを靡かせながら。それは三つの太陽が照らすこの砂漠で眩しいくらいに映った。
「じゃ、ハニーvワイらも行こかv」
「はい、ダーリンv」
太陽が照らす中、砂漠に足を取られながら歩く。
あともう少し。
手の届くか届かないかの距離。
貴方のその背中が
なんて遠いんだろう。
end
あ・と・が・きvv(死)

はい〜;すみません;久しぶりにヴァメリ(ほんのりウルミリ)書きました〜。マジで久しぶりだわ〜。なかなか書いていて気持ち良かったですvv

読んで下さってありがとうございましたv

2002 10 12 伊予

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