コートの裾が、鮮やかに翻った









プラントが降らす雨の中、僕は悲しい人形遣いを想う。

肢体がバラバラにされた、人形たちの中で、雨がキラキラと降っている。

「…エミリオ…。」

呟く言葉はどこかすぐに消えてしまいそうだった。







こんな心が空洞の時は。







いつも寂しい風が吹いているように感じる。








それは自分の真紅のコートを翻して、自分を、弱い自分が曝け出されるようだった。










いつも慣れていたこの風がどうしてこんなに嫌に感じるのだろう。








地上では決して聞けない雨音とともに、彼女の声が聞こえたような気がした。

その雨音にも似た凛としていて優しい声色に、吹かれたような気がした。












――あぁ、なんだ。











どうして忘れていたんだろう。







君の声が、その白いコートを翻して僕に話しかけてくるその声が。









―――どんなに僕のからっぽの心を満たしてくれていたなんて。











それだけで、また僕は僕の戦いに立ち向かえる。












真紅のコートの裾が、鮮やかに翻った。











久しぶり過ぎてごめんなさい…orzあは、やっぱり学校始まると忙しいね♪(汗)暇を見つけては頑張って更新したいです…ネタはあるんで(苦笑)

20060608 伊予