常に前を見据える、強靭な瞳











常に前を見据える、その強靭な瞳にいつの間にかわたしの瞳も奪われていた。












武器を構える掌が汗ばんでいる。

練習というのを忘れるくらいの緊張の中でわたしは相手を見た。

その黄金の槍を携えた相手は、数度の打ち合いで自分と同じくらい埃にまみれているのに、その気品さを失わない。







「…どうした、プラティ?俺とお前の力量の差でも考えているのか?」

いつもの、彼の笑いが浮かぶ。

それを返すようにわたしは言う。







「全然。ヴァリラだって、一歩踏み出せてないじゃない?」

お互いへの、挑戦的な言葉。









それは、お互いが対等だから言える言葉。

間合いを取りつつ、瞳をあわせる。

彼の、その瞳に心を奪われている自分がいた。















武器を持つときもそう。

鍛えるときも、仕事をこなしているときも、その瞳が大好きだった。








そして、わたしを見るときの瞳も。

彼の瞳に映るわたしは酷く顔が赤いような気がした。













自嘲気味に笑って、それが合図になる。









常に前を見据える、彼のその強靭な瞳がわたしを捉えるその時。














――――わたしの瞳も捉えられる。













好敵手なヴァリプラを久しぶりにーっても、やっぱりちょこっと相手への想いも込めつつ、練習試合(え)うちのプラティは乙女ですね☆(死)今日一日で3本も小説アップしちゃったよ、すごいね自分!

読んで下さいましてありがとうございました。

20060317 伊予