聖夜の奇跡
部屋の窓辺に一人の女性が立っていた。
「…そーいえば…もうすぐクリスマスですわね…。」
クリスマス――地球< home> の冬の行事。
でもこの惑星<ほし>では一年中同じ環境だから関係ないのに
何故かツリーを飾り、子供たちはサンタを待って目を輝かせる。

「…昔は好きな人のために必死になってマフラー、編んでましたわね…。
『イヴに間に合わせるんだ!』って…。暑いのにね…。」
メリルは一人、クスクスと笑っている。
だけど、瞳は虚ろで。
――結局、あの恋はフラれましたけど――
「――また、繰り返されるんですわ…きっと。」
―あの人は気づいてくれないから―
―人を寄せ付けないから―
メリルはただ蒼い空を見つめる。
地球< home>ではもう雪が舞っている季節だというのに。
この惑星<ほし>にはただの太陽と砂があるだけ。
…クリスマス・イヴには奇跡が起こるって聞いたけど…私の元には来なかった…。
「やっぱり…かな…。」
メリルは天井を見上げ、苦笑する。
コンッ、コンッ。
「…誰ですの…?」
「…僕だけど…ちょっといいかな…?」
そういうとドアを開け、おずっとヴァッシュが入ってくる。
「…あ、あのさ…実は――。」
「――えっ…?」
――クリスマス・イヴには奇跡が起こる――
少し早いですけど私の元へ、来てくれて――
――ありがとう――
                                            Fin
チョーはた迷惑なSSを送りつけたヤツのあとがき。

いつもチャットでお世話になっている軍曹さんに贈ったクリスマスヴァメリSSでやんす。失礼をしてしまったお詫びにこのSSを贈ったんですけど...こんなんでよかったでしょうか・・・?(滝汗)この話、わかる人にはわかる私の実話だったりします。ええ、中二の冬でしたね・・・;

2002 5 26 伊予

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