「Dark」
深い闇。

漆黒の黒。

俺は一体―――――…

―――何者だ―――
気が付くとそこはホテルの一室。

椅子に座ってうたた寝をしていたのか...。

外は人気のない真夜中――。

…闇を見ると思い出す…。

俺のした事…。
あの月の大穴…フィフス・ムーン。

そして今回の龍津城。

全て俺の責任だ。

メリル―――…。

キミには嫌な思いを……。

コンコンッ。
<すみません、ヴァッシュさん。お話が…。>

「どうぞ。」

少し遠慮するようにメリルが入ってきた。

「何か用?」

「…あっ、いえ...。ね、眠っていらしたんですか?」

俺は空笑いをしていた。
「ああ…夢を見てね…。」

「…どんな夢でしたの…?」

俺は寝起きだったから喋ったのかもしれない。
「……深い闇の中、俺は一人立っていた…。<俺は何者だ>と自分で問い詰めている夢。」
「……そう、ですか…。」

メリルは顔を下に向けていた。

「…俺が…怖いかい?」

「!」

「…そ、そんな・・こと…。」

「見ただろ…俺は人間じゃない。ナイブズという敵もいる。それに…キミを傷つけたくないんだ…。」

俺といたらダメだ...。俺にかかわればキミは……。

それに――俺の中でのキミは大きくなりすぎている...。

「……それがどうしたんですのよ!!

アナタが人間じゃなくても、危険になろうとも私は追いかけていきますわ!今回の事件で私はアナタの事を知った…。でも、それは!それは…。」

メリルの目には涙が浮かんでいた。

少し経つとメリルはシャキッと言った。

「・・ここに来たのは助けてもらったお礼を言うためですわ。…ありがとうございました。」

「…………。」

俺は何も答えられなかった。

「…それと…。」

ふっと、メリルを見たら、俺に抱きついてきた。

「メリル…?」

「……少しこのままでいさせて下さい…。お願いします……。」

俺の胸に顔をうずめて小さな声で言った。

こんな俺で……

こんな俺で―――
いいのか?メリル...
聞き取れないような声でメリルは「……私を悲しくさせないで……。」と言った。

俺の夜は更けていく。
深い闇が俺を包んでいく。
―――でも―――

今は俺の腕の中にこの人がいる。
穏やかなこの光が闇の中で俺を救ってくれるのだろうか……。

Fin.

あとがきv

えーと、これわ、rauさんにあげた暑中お見舞いに書いたものです〜〜(><)すんごく(ものすごく)ヘタッピですみません;rauさん...;原案はアワーズ6月号?で思ったことを書いちゃいました(><)ひ〜ごめんなさ〜〜い!!!(脱兎)

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