TRPGに役立つ(?)映像紹介

広島大学SF研究会OB・上田洋一
トレインスポッティング
1996年 イギリス映画 イギリス・アカデミー賞脚色賞受賞 監督:ダニー・ボイル

 

初めに
 「トーキョーN◎VA The Revolution」(アスペクト)の基本ルールを持っているディープな(果たしてそうか、上田?)ゲーマー諸君は映画紹介のコーナーに「トレインスポッティング」なるパンク映画の記事があったことを覚えているはずだ(覚えてない?じゃぁ読み返せ。120ページだ)。しかし、これだけでは何のことやら分からないかもしれん。そこで、俺、上田がもう少し詳しく紹介してみようという訳だ。これでも、この映画を3度も観たからな(馬鹿野郎だって?その通りだ)。

ストーリー
 そんなものはこの映画には存在しない!ほとんどつながりのないエピソードの連鎖で1本の作品に仕上がっている。おまけに物理法則が通じないときている(俺がこれまでに観た映画の中で最も激烈に物理法則を無視していたのは「アンダーグラウンド」だが)。結末も取って付けたようなものだ。

   

登場人物紹介(どいつもこいつも馬鹿野郎ばかりだ!)
 まずは主人公のレントン(ユアン・マクレガー。「スターウォーズ エピソード1」にオビワン・ケノービ役で出演)ヤク中。趣味はヤク断ち(ほら、よくいるじゃねーか。「禁煙?そんなのは簡単です。私はこれまでに100回も禁煙しましたよ」ってえヤツだよ)。彼のヤク(コカイン、モルヒネ、ヘロイン、大麻、アヘン等々)吸引・静脈注射のシーンは真に迫っているぜ。ホームズもヤク中(「四つの署名」参照)だったが、やはり麻薬に溺れるのはヤなもんだ。

 お次はベグビー。(ロバート・カーライル。ギャング映画「FACE」で主演)。ヤクには手を出さないがケンカ中毒。ヤツの前を通る時は歯の2、3本ぐらい折られることは覚悟すべき、とでも公共広告安全機構でテロップを流すべきだな。

 紅一点のダイアン(ケリー・マクドナルド)。レントンとナイトクラブで知り合い、その晩に激しくファック!ハタチ過ぎぐらいか、と思ってると思い切り足元をすくわれるぜ。実はこの女、中学生(おそらく総合制中等学校の生徒)!で、制服(セーラー服じゃねーよ)がキョーレツによく似合う。おい、ケリー。てめえホントは何歳だ?それはそうと、コンドーム抜きでファックしたのに妊娠しなくて良かったな(笑)。

 さあて、一番のビョーキ野郎に話を移すとするか。シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)。ショーン・コネリー版「007」シリーズのオタク。「『ダイアモンドは永遠に』は最悪の出来栄えだ。そのことは興行成績にもはっきりあらわれている」等としゃべりながら、ジェームズ・ボンドの扮装をする場面もある。歴代ボンド・ガールについてもしゃべっていたな。「アンタッチャブル」(ショーン・コネリーが助演男優賞もらったヤツだよ)は嫌いらしい。

 いよいよ最後だ(ま、他にも登場人物はいるがキョーレツなのは以上の5人だ)。スパッド(ユエン・ブレンナー)。こいつもヤク中。レントンほどじゃないがな。その馬鹿ぶりにはただ呆れるばかりだ。何しろ、就職の面接に行く前にヤクを服用するんだぜ。まあ「これでリラックスできるぜ」と言って服用を勧めたレントンにもかなり責任があるんだがな。で、面接の時には超ハイテンション!「君はなぜレジャー産業に従事したいのかね」と面接官に聞かれると、ちらっと壁の砂浜の絵を見て「楽しそうだから」などと答えやがる。貴様、アホかい!(とはいえ、こんなヤツの出てくる映画を3度も観た俺も同類だがな)。面接の結果は言うまでもないだろう。しかし、このスパッドはちょいと憎めないところがあるんだな。日本の演劇なんかで言うところの「アホ役」に近い印象を与えるためだろうか。

鑑賞のコツ
 先にも触れたが、この映画にはストーリーは事実上存在しないだけでなく、物理法則もいささかねじ曲がっている。が、最も気を付けないといけないのは「お約束」がほとんど通用しないってことだぜ、ベイビー。ま、これは最近キョーレツな作品をガンガン作り出しているアジア映画界(日本は含まないぜ!)にも言えることだがな。これを読んでるアンタが「スターウォーズ エピソード1」や「タイタニック」を観て「感激した」とマジで思ってるなら、悪いことは言わない、この映画を観るのは止めておけ。訳分からなくなるだけだぜ。運が悪いと目標値15くらいの(「ソードワールド」で言うところの)精神抵抗判定が必要だな。失敗した次のターンには映画館の外に出ているぜ。

どこで観る?
 「トレインスポッティング」はリバイバル上映でもない限り、もはや映画館では鑑賞できまい。レンタルビデオ屋に向かうべきだな。大きい所なら、あると思うぜ。「うどんの王国」(全く間違ったイメージだが)香川県にもあるぐらいだから、な!

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