戦乱時における遊撃部隊としてのPCの扱い方

 ユーリ「古くさいテーマのような気がしますが」

 バレリア「いやいや、第1・第2世代系統ゲームやと重要やで」

 ユーリ「うーむ、確かにストーリー推進システムを搭載した第4世代系統ゲームの場合ですと1対1000でも正面からの殴り合いが成り立ちますからねえ」

 第4世代系統ゲーム:筆者の定義づけ。第3世代は「目的が特化された」ゲームとみなしている。例:「熱血専用」、「番長学園」。

 ユーリ「しかし、一言に『遊撃部隊』とくくられても・・・・・・。何をすればいいんです?」

 バレリア「まず『遊撃』という単語を辞書で引かなあかんわ」

 ユーリ「えーと、『時を見て見方を助け、敵を攻撃すること』ですか・・・・・・。なるほど、つまりはファーストガンダムでのホワイトベースですな?」

 ファーストガンダム:筆者はガンダム・シリーズについての知識が皆無に等しい。先日、「ギレンの野望」(PS)の攻略本を立ち読みして「へー、一年戦争ってこんな話だったんだ」とやっと知ったほどなのだから。「ア・バオア・クーって壇ノ浦なんですか?」と尋ねたこともある。また、「ポケットの中の戦争」の元ネタを「橋」(西独映画。監督:故ベルンハルト・ヴィッキ。西部戦線末期がテーマ)だと思い込んでいた所も救いがたい。

 バレリア「つまりは決戦が期待される主戦場にPCを送りこむんやのうて、さして重要とは思われない支戦線で活躍させりゃええんや。むろん、その支戦線がしだいに重要拠点となってキャンペーンのクライマックスではPCの成否で戦争の様相が大きく変わることはお約束やのう」

 ユーリ「で、その支戦線でPCは何をすべきなんですか?具体的に言ってもらわないと」

 バレリア「後方攪乱工作やな。敵軍が補給路として用いる橋を破壊したり、補給源の街で流言蜚語をばらまいて心理的に混乱させたり・・・・・・力自慢の敵兵に自転車競走をさせて崖から突き落としたり」

 ユーリ「最後のは『コマンド・マガジン 日本版』29号に紹介されていた『特攻大戦略』の1コマですね」

 「特攻大戦略」:独ソ戦(1941・6〜1945・5)後期のソ連兵のせこい破壊工作を描いたちょっと天然まじりの戦争映画らしい。まだ筆者は見ていない。「ぴあ」の別冊で見た限りではビデオ、LD、DVDのたぐいでは出ていないようである。

 ユーリ「僕は『弱者の戦略』たるゲリラ戦をやりたいですね。毛沢東やボー・グエン・ザップみたいに」

 バレリア「遊撃部隊のやるんはゲリラ戦的活動がたいがいやがなあ。それにしても、あんたはそーゆー戦にロマンを感じとるようやな。ほんまは嫌なくらいに散文的やということを忘れんといてや」

 ユーリ「はあ・・・・・・。でも、アメちゃん倒したのはベトナムぐらいじゃないですか」

 バレリア「北ベトナム(当時)とベトコン(南ベトナム民族解放戦線。NLF)は他の共産主義陣営から多大なるバックアップを受け取っていたことは忘れたらあかん。支援なきゲリラ戦は敗北を遅くするだけやで。ま、ゲリラのしんどさ知りたいんやったらぺク・ソニョップの『対ゲリラ戦 アメリカはなぜ負けたか』(原書房)でも読みまい」

 ぺク・ソニョップ:韓国の退役軍人。1920年生まれ。朝鮮戦争(1950〜53)において対共産ゲリラ戦等で活躍。

 バレリア「まあ、こないな現実の殺伐とした戦争はとりあえずおいとこか。破壊工作の典型としては映画『ナバロンの要塞』があげられるのう」

 「ナバロンの要塞」:1961年。米国制作。J・リー・トンプソン監督、グレゴリー・ペック主演。2次世界大戦後期、連合軍の特殊部隊がエーゲ海にそびえるナチス・ドイツの巨砲を爆破しにいく話。TVでもちょくちょく放映される傑作。続編として「ナバロンの嵐」というのもあるが、これは舞台がユーゴスラビアになっている。

 ユーリ「で、キャンペーンの最終回ではPCの遊撃部隊に何をさせたらいいんですか?」

 バレリア「2つのパターンがあるわ。主力との合流後に決戦場で指揮官として活躍するか、あるいは規模自体は遊撃部隊と変わらへんけど友軍主力の方が逆に囮となってPCの活動に戦役の帰趨が委ねられるか、やな」

 ユーリ「後半は『指輪物語』のクライマックスまんまという気がしますが・・・・・・」

 バレリア「あえて否定はせん」

(「ジョゼと虎と魚たち」は江口徳子が良かったので続く?)
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