コンベンションにおいてプレイヤーはいかに楽しむべきか?

ユーリ「……バレリア、これって愚問じゃないんですか」

バレリア「何を言うとるねん、あんたは!『コンベンションにおいて』とはっきり書い とるやろが」

ユーリ「はあ。ところで、話がとぶんですけど、筆者が僕らの関係はレパントの海戦で負傷した作家の小説に出てくる騎士と従者みたいなもんだ、と勝手に妄想しとりましたが、一体何の小説何ですか?」

バレリア「セルバンテスの『ドン・キホーテ』や!全く、話をそらしおって。ちなみに言うとくが『ドン・キホーテ』は単なる騎士物語のパロディではなく、『正気な人間の狂気』を描写した傑作やぞ。ま、それはええとしてや、ユーリ!」

ユーリ「は!」

バレリア「いきなり軍隊調やの。あんたはコンベンションで遊ぶ時に何を最優先して遊んでるんや?」

ユーリ「そりゃあ、自分が楽しむことですよ」

バレリア「うつけ者!」

ユーリ「僕は少年時代の信長じゃありません」

少年時代の信長:彼が「うつけ者」と呼ばれていたことは「信長公記」(しんちょうこうき、と読む)にも記されている。「人の肩に寄りかかって柿を食っていた」という記述なんかがある。果たして本気だったのか、演技だったのか不明。

バレリア「あんなあ、内輪のセッションならともかくコンベンションはいろんな人が集まるんやぞ。誇張すると、『公』の場や。そのため、守るべきルールがある」

ユーリ「何ですか?」

バレリア「『自分だけ楽しんで、他のプレイヤーの楽しみを奪ってはならない』ということや」

ユーリ「簡単なことじゃないですか。気を付けていればそんなことは起こりませんよ。僕もベテラン、バレリアもベテラン。問題なしですよ」

バレリア「・・・・・・あんなあ、『ベテラン=優れたプレイヤー』とはちゃうんやぞ」

ユーリ「へ?」

バレリア「黒澤の『用人棒』の脇役みたいな返答しよってからに」

黒澤の「用心棒」:1961年の時代劇(パロディ)映画の傑作。クリント・イーストウッドの「荒野の用心棒」がこれのパクリであることはよく知られている。また、「じゃりん子チエ 番外編 どらん猫小鉄」の元ネタでもある。

バレリア「具体例をあげるで。この記事の筆者がTRPGのベテラン・ゲーマーっちゅうことはよお知っとるの?」

ユーリ「まあ、年月だけ考えればベテランですよね」

バレリア「ふむ、あんたの頭もトコロテンからぷよぷよに進化したようやの。先日のことやが、筆者はとあるコンベンションで『ソードワールド』の卓でプレイヤーとして参加しとったんや。で、ある街で(中略)怪しい貴族の宴に潜りこんで調査に当たることになった。ところが、筆者は自分のキャラを『道化に変装させて仲間と行きまーす』と宣言したという訳や」

ユーリ「特に悪いとは思えませんが・・・・・・」

バレリア「問題はこの後や。道化になったキャラはクライマックスまでずっと道化のままやった。つまり、筆者は『道化としてのロールプレイ』に専念してしもうたんや!セッションの進行を大いに鈍らせたことはあんたにも分かるの?」

ユーリ「げ、それはひどいですよ。他のプレイヤーはたまりませんねえ」

バレリア「そ。なまじ『ロールプレイ』という概念に妙なこだわりを持ったのがあかんかったっちゅうわけや」

ユーリ「ようするに、筆者は自称『ベテラン』だったということですね」

バレリア「う−ん、厳しい表現やが的中していることは否定できんな」

ユーリ「では、続きはまた明日」

バレリア「あんたは『あすか』の有馬稲子かい!」

「あすか」の有馬稲子:「あすか」は1999年10月から放送されている朝の連ドラ。有馬稲子(女優。筆者は生で観たことがある)がナレーションを務めている。なお、ヒロインの父を仮面ライダー(藤岡弘)が好演している。

バレリア「それからなあ、逆もいかんのや。遠慮して他人に場を譲ってばかりというやつやな。結局、必要なのは『常識に根ざした配慮』というものや」

ユーリ「今回もここらで終わりですね」

 

(おっと、岩波の「世界」も革新系オピニオン誌だったので続く)


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