ゲーマーとしてのモラル

ユーリ「何だか面倒なテーマですねえ」

バレリア「そやの。しかし、モラルが崩壊しているゲーマーをいろんなサークルで見てきたから書きたい、というのが筆者の本音なんやと」

ユーリ「……うーん、単なる個人攻撃に陥る可能性が……」

バレリア「なくもないの」

ユーリ「そんなにあっさり言っていいんですか?」

バレリア「いや、つまりやの、結局この記事は具体例をあげざるをえないんや。ほやから、あんたの言うことに一理あるの。だから、名前やサークル名を伏せて、可能な限り冷静に、そして自身の責任にも気配りして進行させてみよう。まずは、自戒の念もこめて筆者の言動から」

ユーリ「ほう」

バレリア「リアクションがイマイチやの。まあ、ええわ。筆者は数年前、とあるサークルで『ブルーフォレスト物語(旧版)』をプレイした。職業は一般市民だったのだが、何と途中でべッドに転げて寝てしもたんや!」

ユーリ「あのお、なんでサークルにベッドがあったんですか?」

バレリア「その日のセッションが会員のアパートで行われたためや」

ユーリ「じゃあ、続きを言って下さい」

バレリア「なんとなくうちを馬鹿にしとるような口調やの。で、今度は他人のやが、 筆者の知ってるゲーマーの内何人かは『プレイヤーがセッション中に寝るのはマスターが悪い』と主張しているのう。これは完全な責任転嫁やの。確かに、多くのマスターはプロほどにはシナリオ作り・マスタリングはうまくない。だからといって、責任をマスターになすりつける言動はよろしくないんや」

ユーリ「他には?」

バレリア「これはかなり前の話なんやが、とあるコンベンションであるマスターがSNE系統のゲームをやっていた」

ユーリ「何でそんな回りくどい言い方をするんです?」

バレリア「さっきも言ったやろが、このヤドロク!個人攻撃につながる恐れがあるけんや!本題に戻るで。そのマスターはそのコンベンションを主催した人から『かすマスター』呼ばわりされたんや」

ユーリ「か、かすですか。普通そこまで言います?」

バレリア「言わないやろ」

ユーリ「で、そのマスターはどう反応したんです?」

バレリア「反応も何もない。なにせそのマスターさんは、非難されている現場にいなかったんやから。ま、いわゆるひとつの『欠席裁判』でかつ『弁護人』なしだったというこっちゃ」

ユーリ「それは嫌ですねー」

バレリア「で、次の例だが、これはモラルどうこう言う前に人権侵害やな」

ユーリ「は?」

バレリア「とある軽度の障害者の人がコンベンションに参加したんや。で、その人は気を遣うタイプやったんで、あらかじめ自分が障害者であること、そしてそのためにセッションに支障をきたす可能性があることを述べておいたんや」

ユーリ「そこまで聞いていると、別になにも問題はなさそうな気がしますが……」

バレリア「問題はその後!同じ卓の何人かが『きちがピー、きちがピー』とふざけて言ったんや。これには、障害者のゲーマーの人も腹をたてたようや」

ユーリ「でも、その人は神経症とかそーゆー障害じゃなかったんでしょ。それだったら怒る必要はないんじゃないんですか」

バレリア「何を考えとんや、このたわけ!その理論でいくと同和地区の人がいなければ……とか、ネイティブ・アメリカンの人がいなければ……とかいう論が正当化されるやろうが」

ネイティブ・アメリカン:かつては「インディアン」と呼ぶのが普通であったが、差別的である、という理由から呼び名が変わった。また、いわゆる「ジプシー」も最近は「ロマ族」と呼ばれる傾向にある。

ユーリ「他には?」

バレリア「アメリカは人種のるつぼなどではなくモザイク国家であって……」

ユーリ「おーい、バレリア」

バレリア「まあ、これは旧ユーゴスラビアにも言えることなんやが。ま、よた話はここらで切り上げてまとめに入るか」

ユーリ「まとめ!?」

バレリア「うむ。結局ゲーマーとしてのモラルを確立させるというのは『常識』を身につけることに他ならない、ということやの」

(「ライアー」はよかったので、続く)
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