TRPGに有益な映像紹介
ユーリ「いやあ、いきなり範囲が広いですねえ」バレリア「個別にやってもいいけど、話がマニアックになりかねんやん」
ユーリ「そりゃあ、『わらの女』がどうしたこうしたって言われても、誰も……」
バレリア「ほやな。『わらの女』でいくのもええな」
ユーリ「なるほど、あの映画はファンタジーだったんですねえ。僕はてっきり心理サスペンスかと思ってましたよ」
バレリア「ファンタジーでなくったって、有益な映画やからええんや」
ユーリ「まあ、確かに性格を表現するための心理描写という点で、見るべきものがありますからね」
バレリア「そうそう。ヒロインが一見悪女なんだけど、実は全然そんなんじゃないというのがだんだん分かってくるのがいい」
ユーリ「本当に悪いのは○○○(真相をばらすといけないので自主規制)やもんなあ」
バレリア「悪役の名前出すな!おもしろみが半減するやろ」
ユーリ「どうせ、伏せ字にするからいいじゃないですか」
バレリア「よおないわ!ま、『今日はこのくらいで許してやるか』と言いたいとこやな」
ユーリ「おお、タイ・ボンバやね」
タイ・ボンバ:XTR社の社長。シミュレーション・ゲームデザイナーでもある。作品に「BLITZKRIEG 1941」がある。
バレリア「まあ、『わらの女』は大きなレンタルビデオ店か市立図書館の視聴覚ブースにあるはずや」
ユーリ「そんないいかげんな……」
バレリア「『わらの女』を探しててもっといい作品にでくわすかもしれんしな」
ユーリ「あと、あれですよねえ、音楽の使い方もうまかったですねえ」
バレリア「特に、『フィデリオ』の序曲や」
ユーリ「『フィデリオ』って、確か……」
バレリア「ベートーベンのオペラやね。これは高松市図書館にビデオテープがある」
ユーリ「えらい断定的やね」
バレリア「そんなことも知らんのか。お前は幼稚園で何を勉強しとったんや」
ユーリ「そーいう君は、『わらの女』を1日に2回見とったやろが」
バレリア「『フィデリオ』というのは政治犯として刑務所に収容されただんなの救出のために嫁さんが孤軍奮闘する話や」
ユーリ「で、『わらの女』はそーいう良妻やのうて、財産目当ての看護婦がヒロインやからねえ」
バレリア「そ、悪妻が金持ちの老人におやすみのあいさつをする部分で序曲が流れだすんやもんなあ」
ユーリ「BGMじゃのうて、実際に劇中で流れているというのがいい」
バレリア「でもなあ、やっぱり『悪妻』ではあっても、本質的に善人なんよね、ヒロインが」
ユーリ「そこのとこをほんまにねちっこく描いている。本当に『うまい!』としか言い様がないですよねえ」
バレリア「金持ちの老人の暴言やら蛮行やらに対する反発というものを通してね、だんだんヒロインが『奔放なすれっからし』(by「熱血専用!」)じゃなくて……」
ユーリ「『歴戦の聖女』だということが分かってくるんですよねえ」
バレリア「なんや、それは!ジャンヌ・ダルクとちゃうやん」
ユーリ「いやあ、宗教改革ですよ、宗教改革。ん〜新興市民階級でもいいなあ」
バレリア「『傷を負ったうぶな女』というのが正確やな」
ユーリ「あかん、ツッコミが足りん!」
バレリア「あんたはここでジャンヌ・ダルクねたの漫才するつもりかい」
ユーリ「ま、今日はここらへんでおしまいということで」
バレリア「まだ、書くべきことがある」
ユーリ「うーん、早く帰らないと終電がなくなるから」
バレリア「やかましわ。伏線の張り方や。伏線の」
ユーリ「うーん、確かにうまいですよねえ」
バレリア「伏線だと分からないように張っておいて、終盤でハッとさせる。これはマスターなら1度はやってみたいことや」
ユーリ「冒頭の部分からしてそうやもんなあ」
バレリア「ちなみに題名の『わらの女』からして、伏線やもんね」
ユーリ「内容をばらしかねないような気がしますねえ」
バレリア「そやな、これ以上語ることはルール違反やな」
ユーリ「じゃあまた」
(ひょっとしたら続く)