文章を書こう!

ユーリ「あのー、この記事は小説書く人のものじゃないと思うんですけど……」

バレリア「よータイトルを見てみい。何も小説を書けとは言っとらんやろ」

ユーリ「つまり、文章を書くことでゲーマーとしてのレベルを上げようってことですか」

バレリア「ほう、あんたにしてはまっとうな答えやの。つまり、いくら優れた才能を持っていても、自身のゲーム観やシステムの理解度、それにゲームの評価法を文章の形でまとめておく必要があるんや」

ユーリ「そんなもんですかねえ。布団の中でアイデアをまとめていく人もかなりいますよ」

バレリア「うーむ、それも一つの方法ではある。ただ、それだけがゲームというものを的確に把握するための方法ではないんや。それに、筆者のような天然健忘症にはふさわしいやり方ではないからの」

ユーリ「第一、文章を書くこととTRPGを楽しむことにどういう関連性があるっていうんです?」

バレリア「いくらでもある」

ユーリ「はあ?」

バレリア「文章を書くことは、自分の考えや感情を再認識するのに有用なんや。どんなに立派な考えを持っていても、それが頭の中でのみとどまっているのでは整理ができず、『単に知識を持ってるだけ』という状態が続くことになりかねない。文章とすることで、自分の思想が紙の上に目に見える形で現れてくる。そして、書き手のゲーマーはそれを見て、わりと客観的に自身の考えを分析することが可能になる」

ユーリ「じゃあ、今週はここまで。次回は36ページから……」

バレリア「いきなり終わらせるな!」

ユーリ「だって結果が出たじゃないですか」

バレリア「まだ語るべきことはある。文章を書くことは、論理的思考能力を高める効果があるんや」

ユーリ「それ、さっきも言ったでしょ?」

バレリア「少し違う。ゲームというものを楽しむためには、ウィットの側面からアプローチすればいい。そのウィットを養うのが自己批判のための文章やな」

ユーリ「じゃあ、論理的思考がどうこうというのは何なんですか?」

バレリア「それはゲームを楽しむ人ではなくシステムの比較やプレイスタイルの分析をするゲーマーにふさわしいんや」

ユーリ「それってマスターにしか適用されないのでは?」

バレリア「確かにそうや。そして、ウィットを養うのはプレイヤーにとって極めて重要やけん。けどな、よー覚えとき。プレイヤーとマスターの2つの顔を使い分けるのは、ある程度経験を積んだゲーマーなら頻繁にあることや。実際、そう思うやろ?」

ユーリ「まー、そーですよねー。プレイヤーしかやらないベテラン・ゲーマーとかマスターしかやらないベテランはほとんどいないですからねえ」

バレリア「それからやな、文章を書くことは他にもいいことがある。文章をたくさん書いておけば、しだいに長いものも書けるようになり他の同人誌への投稿もやりやすくなる。それに、シナリオ作りもかなり楽になる」

ユーリ「うーん、なるほど〜」

バレリア「例えばやな、ここに1人ゲーマーがおったとするわ。で、いきなり『4ページ書いて……」

ユーリ「『下さい、武蔵先生!10両でお願いします!』」

バレリア「たわけ!それがGMT社の『サムライ』やろが!」

GMT社の「サムライ」:戦国時代の会戦を扱ったユニークなボードSG。ミヤモトムサシが一騎打ちユニットとして登場。「ハラキリ」をすると味方の戦闘意欲が上がるという訳の分からないルールがある。ちなみに筆者はまだ購入していない。

バレリア「とにかくなあ、文章書くのってめんどいんよ。やけど、持続的に文章を書いていれば、文章作成技術は向上する。そうすると、『4ページっすか、そんなん簡単ですよお』と堂々と言えるようになる」

ユーリ「で、締め切りに間に合わず印刷屋をあやうく殺しそうになるんですね?」

バレリア「貴様は『サルでも描ける漫画教室』を読み直す必要があるんやないのか?」

「サルでも描ける漫画教室」(この字で良かったかなあ):相原コージ、竹熊健太郎がタッグを組んだ「漫画入門」風の優れた漫画評論書。

バレリア「まーとにかく、日記をつけることから始めることやな。それから、遠方の友人とのコミュニケーションはなるべく手紙ですませることやな。ここで、『俺、筆不精やから』と言ってたら、まあ少なくとも小説を書こうという気は起こさんこっちゃ」

(金城武は最高だぜ!なので続く)

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