情報収集の重要性

ユーリ「ありがちな問いですね」

バレリア「そんだけで片づけるとこの記事が2行で終わるやないか」

ユーリ「でも〜いまさら〜」

バレリア「あんなあ、理屈だけで分かっていても、実行に移せないというのが一般的なんやで」

ユーリ「じゃあ、実例をあげてくださいよお」

バレリア「なんか偉そげやな。ま、筆者の恥ずかしい経験から述べていくか」

ユーリ「わあい」

バレリア「……まー、とあるセッションでやなあ、汚水を垂れ流していた町の有力者の悪事を暴くというのがあったんや」

ユーリ「何か、ファンタジーのようなそうでないような……」

バレリア「ファンタジーや。それはともかく、マスターはPCがこつこつと情報を集めて悪党を裁きの場に突き出すことを期待していたんや。ところが、大馬鹿者のプレイヤーたる筆者が『天はPCを見放さない教』信者だったため、とんでもないことが起こってしもたんや」

ユーリ「ちなみに、いつのセッションですか」

バレリア「確か93年の夏やったな。で、そのPCは『悪党の家をブチ壊せば何か証拠が手に入るに違いないよーん』という希望的楽観的観測的なったらいいな的発想で汚水源と思われる建物に接近して……」

ユーリ「離脱した、と」

バレリア「ちゃうわい!いきなり壁を破壊し始めたんや!」

ユーリ「……で、どうなったんです、そのPCは?」

バレリア「半殺しにされてしもうた。まあ、ミッションそのものは他のPCが解決してくれたんやけどな」

ユーリ「うーん、考えさせられますねえ」

バレリア「まあな。以来、筆者は……」

ユーリ「めたらやったら情報を集めないと自滅する無茶なシナリオを乱造してプレイヤーを恐怖のどん底にたたきこむようになった、と」

バレリア「前も似たようなこと言ってたな、あんたは。まー、情報収集の重要性が身にしみついていったのはそれ以来やなあ」

ユーリ「でも、何で情報収集が大切なんでしょう?」

バレリア「そのセッションを生き残るためやな。一言で表現すると」

ユーリ「でも、『美しく死ぬ』ことをシステムに組みこんだゲームもありますよ」

バレリア「確かに。しかし、『鯨夢工廠』でよく遊ばれているゲームではそーゆーのはあまりないやろ」

ユーリ「うーん。でも、『ガープス』ではロールプレイが重要視されていますよ」

バレリア「だからといって『玉砕の美』を表現するシステムでもないやろ。『ガープス』においてはロールプレイが推奨されているとはいっても、そのセッションを生き延びなければCPを獲得することはできへん、そやろ?」

ユーリ「大体分かりました。でも、具体的にどーやって情報を集めればいいんです?」

バレリア「『ソードワールド』なんかは簡単やなあ。盗賊ギルドはあるし、魔術師ギルドはあるし、冒険者の店などという都合のいいものもある」

ユーリ「でも、ギルドで情報を得ようとすると金がかかりますよ」

バレリア「ほほお、あんたは命よりも金の方が大事なんか」

ユーリ「健康のためなら死んでもいいって、よく言うじゃありませんか」

バレリア「そーかのお。かなり古いギャグのような気がするけどな」

ユーリ「で、例えば『ルーンクエスト』の場合はどうなんです?」

「ルーンクエスト」:アヴァロンヒル社の傑作TRPG。日本ではホビージャパンから出版されている。多神教の世界でPCが特定のカルト(宗派、とでも訳すべき?)の一員として戦っていく。なお、「ルーンクエスト90S」は一応このシステムの簡易版ということになっている。

バレリア「そりゃ、むろん同一のカルトもしくは仲のいいカルトのメンバーから情報を得るというのが一番ありきたりやな。他に、カルトの偉いさんに頼みこんで特殊な情報を獲得することもありうる」

ユーリ「『ソードワールド』みたいに酒場で聞きこみを行うというのは?」

バレリア「あかんな。『ルーンクエスト』では酒場が繁盛するほど経済活動が活発な地域はまずない」

ユーリ「今回はここらで終わりですか」

バレリア「そやな。で、結論から言うと『敵を知らず、己れを知らず』なあんてことになったらあかんで!ということやな」

(「RPGドラゴン」はどうなっとるんじゃい!なので続く)

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