組織論

ユーリ「はあ?これがTRPGとどーゆー関係にあるんですか?」

バレリア「TRPGとは関係がない。しかし、TRPGサークルには関係がある」

ユーリ「???」

バレリア「つまりやなあ、TRPGを楽しもうとしたら少なくとも4,5人は必要や。で、だんだん規模が大きくなるとサークルという『組織』が誕生する」

ユーリ「組織というと、どこぞの幼稚園バスをカージャックしてゴ○ンジャーの必殺技で敗れるという……」

バレリア「あほかい、あんたは。これはまじめな話やぞ。まー、『鯨夢工廠』のゲーマー何人かは来年には県外に出ていって、そこで新たなTRPGサークルに加入したり自力でサークルを作ろうとする人もいるやろうしな。それに、この記事には筆者の企みもある。」

ユーリ「どんな?」

バレリア「次期のスタッフになろうかな〜とか思っている人へのアドバイスという意味合いもあるんや。で、ここでTRPGサークルである『鯨夢工廠』の組織としての性質を述べてみる。早い話が非営利型組織に分類されるのう」

ユーリ「はあ。いまいち意味が分からないですけど」

バレリア「『鯨夢工廠』はもうけを狙って作られた組織ではないということや。で、その目的は組織としての生き残りにある」

ユーリ「香川には岡山の『ボードウォーク』のようなホビーショップがありませんからかなり厳しいとは思いますが……」

バレリア「確かにそうや。しかし、最初から悲観論にドップリとつかってしまうのは危険や。サークル運営が刹那的なものになる恐れがあるからのう。ま、それは置いといて、次いくで。『鯨夢工廠』における目的を達成するための手段はコンベンションを定期的に開催することやな」

ユーリ「目的と手段の違いがよく分からないんですが……」

バレリア「まず、目的を設定する。そして、目的を果たすにはどのような手段が適切であるかを考え、複数のアイデアから手段を選ぶ」

ユーリ「手段を目的に適合させる、ですか。何だか『戦略論』みたいですねえ」

「戦略論」:イギリスの戦史研究科リデル・ハートの代表作。「孫子」を現代的に再定義したことで知られる。

バレリア「それから、次の原則も重要やな。『無能な働き者を追放せよ』というやつやな」

無能な働き者を追放せよ:今世紀初めのドイツの将軍フォン・ゼークトが言ったとされる言葉。

ユーリ「そんな無茶苦茶な!能力的に劣っている人をそれだけの理由で追い出したりしたら、そのサークルは崩壊しますよ!私は反対です!」

バレリア「あんなあ、これは本来軍隊における原則であって、読み替えを行う必要があるんやで。サークル流に訂正すると、『マジメなんだけど、それが災いして暴走しちゃう人はサークル内で高い地位につけるべきではない』、てなことになる。マジメな人がマジメに仕事をこなせばサークル運営はうまくいく、とは必ずしも言えないということやな」

ユーリ「頭の固い人には要注意ということですかあ?」

バレリア「そーとも言える。それから、『負担は平等に、責任は個人もしくは小グループに』というのも大事」

ユーリ「なんで?」

バレリア「負担の多くは経済的なものやけど、これが1人に集中すると問題が起こる」

ユーリ「そりゃ、1人で負担してたら財布がパンクしちゃいますよ」

バレリア「そーゆー意味やない。個人が負担すると、その人にサークル内のあらゆる権力が集中する恐れがあるんや」

ユーリ「具体的には?」

バレリア「負担者が『この企画は認めない。金は私が払ってるんだから、その辺の事情も考えてほしい』てなことになっちまう」

ユーリ「……でもお、サークル内で権力を握りたがる人がいるとは……」

バレリア「いや、縦の関係があるサークルにおいては必ずといっていいほど醜い権力闘争がある」

ユーリ「非生産的な話ですねえ。楽しめれば、それでいいのに」

バレリア「むう、話が初めの方に戻ったが、あんたの言う通りや。TRPGはあくまで遊びであって『楽しむ』ことが最優先される。よし、あんたは今日は花マルや!」

ユーリ「わーい(喜)」

(「ガメラ」がおもしろかったので続く)

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