リプレイの書き方

バレリア「簡単なようで難しい。それがリプレイ執筆の要やな」

ユーリ「いやあ、ここは『愛』ですよ、『愛』!」

バレリア「『宇宙戦艦ヤマト』とちゃうぞ」

ユーリ「だから『征途』ですってば」

「征途」:かつて翔企画で「東京モンスターバスターズ」をデザインした佐藤大輔の軍事小説。福田定一(故司馬遼太郎)、後藤田正晴(自民党の長老)が大暴れ(?)する。なお、中曽根康弘やジョージ・ブッシュも登場する(大戦中の)

バレリア「まあ、話を元に戻そうや。まず、テープに録音してテープ起こしをする。やけど、それだけではただの文の羅列に過ぎないんや」

ユーリ「じゃあ、どなんするん?」

バレリア「大ナタふるうことやな。別の言葉で表現するなら『編集』や。どんなにおもしろいと思ってもそれが単なる内輪ウケだとか、本来のストーリーから余りにも逸脱した箇所だとかいう場合はどんどん削除していかんとな」

ユーリ「でもお、そんなに削れんで。大体1回のセッションで短くとも2〜3時間はあるんや。言葉の数量だけ考えてもすごいものがあるで」

バレリア「じゃあ、全部載せるんかい?それはダラダラしたよた話になるだけや。うちの知り合いで『青森』のリプレイを書き続けている奴がおる」

ユーリ「ふんふん」

バレリア「その書き手はやなあ、戦闘の際のキャラクターの行動をすべてリプレイにしとったんや。もちろん、ダイス目もすべて几帳面に文章化しとったんやで!」

ユーリ「そ、それはあまり読みたくないなあ。でも、市販のリプレイでも結構ダイス目も記載したり、行動を細かく述べたりしているけどなあ」

バレリア「確かに、かの有名な『ソード・ワールドリプレイ』なんかはそういう面があるな。けどな、山本弘も清松みゆきも雑誌の中で『セッション中の会話をすべてリプレイにしているのではない』と言っているんやで」

ユーリ「えらい自信でんなあ。リプレイが商業誌に掲載されたこともないくせに」

バレリア「『ゲーム・ジャーナル』に去年『SAMURAI SUNSET』のリプレイ載せてもらったし、次回は『RUSSIAN CAMPAIGN』も載せてもらえるんじゃ」

ゲーム・ジャーナル:ボードシミュレーションゲーム(コンピューターではない!)の同人誌の1つ。全国に1000人の購読者を持つ。

ユーリ「でも、そりゃTRPGとは何の関係もないんちゃうんか」

バレリア「いやいや、ボードSGだろうがTRPGだろうが、リプレイの執筆の態度には共通するものがあるんや」

ユーリ「というと、何なんや」

バレリア「つまりやなあ、どんなゲームであろうともリプレイをどのような対象に読ませ、伝えたいことは何なのか、ということを明確にして書かなきゃならんのや」

ユーリ「それじゃあ、内輪だけを対象にする場合だったら内輪ウケのリプレイでもええわけやん」

バレリア「そーかもしれん、そーでないかもしれん」

ユーリ「あんたはガンダルフかいな」

バレリア「まあ、それはともかくとしてだ。リプレイというのは『読ませる』のが目的だから、作文技術の能力も必要やね」

ユーリ「でも、小説書くわけやないんやし」

バレリア「初歩的な問題だよ、ワトソン君」

ユーリ「原作にはそんなセリフやないやん」

バレリア「そんなこと言われんでも、元ホームズオタクのうちには分かっとるわ!ええか、リプレイというものが『読ませる』文章形態である以上、文そのものが簡潔かつ平易でなければならんのや。そのためには作文技術そのものを向上させていかなあかん」

ユーリ「そのためにはどないするん?」

バレリア「たくさん本を読んで、たくさん文章を書く。これしかない!」

ユーリ「学問に王道なし、というやつやな」

バレリア「ユークリッドときたか。ま、確かにその通りやな。あ、それから……」

ユーリ「何、何?」

バレリア「はるかに優れた文章作成能力を持つ人に添削してもらう、という方法もある。この記事の筆者でもそうしとるからな」

ユーリ「でも、リプレイを添削してやろうという人なんておるん?」

バレリア「普通の小説でも書いて、見せるしかないなあ」

(続く?)

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