「ウォーハンマーRPG」プレイレポート

書いた人:広島大学SF研究会OB 上田洋一

 初めに・「ウォーハンマーRPG」とは
 私はルールブックを持っていないので頼りない記憶力に頼らねばならないが、このゲームはなかなかイケテル!「転職」(レベルアップとクラスチェンジを兼ねている)を繰り返しても耐久力(いわゆるHP)は大して上昇せず、攻撃の回避ができず、セッション中に発狂したりトラウマを植えこまれたり(「狂気点」というルールがある)するという「D&D」的(?)なシビアなルールがバシバシ盛りこまれているのだ!……けどねぇ、社会思想社(「T&T」を翻訳・出版したとこ)がTRPGから撤退しちゃってほとんど忘れられているゲームなんだよな。

 本題 GM・Tさん
 ハーフリングの国の都に向かっている2人の男がいる。誰だ、それは?PCである。1人はレイトという人間の偵察兵(プレイヤーは「R・P・G」のYさん)、もう1人はドワーフの賞金稼ぎドン(プレイヤーは私)である。
 この2人、さっきからしきりにぼやいている。

 レイト「なあ、俺達なんであれでここまでとばされなきゃならねえんだ?」

 ドン「いやいや、あれは我がドワーフ王国の女王陛下(ヒゲが生えとるかどうかは気にするな)もお気に召しておられるご様子。逆らう訳にはいくまい」

 レイト「超巨大カタパルトってなんや!ちょっとチビッタぞ!」

 宥めるドン。

 ドン「まあまあ、もし歩いていれば数週間はかかる悪路だったのですぞ。そこをわずか30分でこれたのですからのお。ま、物事は前向きに捉えるということで」

 かくして、2人が進んでいると豪華な馬車の側にいる3匹のゴブリンの姿が目に映った。ドンはいきなりバーサークして突撃(ルール上、ドワーフはゴブリンとオークを心の底から憎悪していることになっている)。それをレイトが弓矢で支援。
 戦闘は「あ」と言う間もなく終わった。ただし、ドンの攻撃はすべてスカ。
 で、側にあった馬車を調べると血の海!どーも、ゴブリンに惨殺されたらしい。しかしゴブリンが全員死んでいるので確認のしようがない。
 その時……

 レイト「この馬車に付いてる紋章ってハーフリング国の王族のやつじゃないか」(知覚判定に成功。ドンはやっぱり失敗)

 2人はとりあえず、死体(バラバラになっていたが)を埋葬した。

 ドン「わしとしては坊さんを呼んでちゃんと葬式をしてやりたいが……無理じゃな」

 そして、彼らは王都に向かい、これといったイベントもなくあっさり到着した。
 んが、都は沈滞ムードに覆われていた。子供がこの半年で何人かさらわれているというのだ!

 レイク「ふーん、それが今回の依頼なんか」

 ドン「まだ誰からも何も言われてないような気がするのじゃが……」

 ああ、しかし、お約束の女神は常にPCに微笑むのだ!なんだかんだあってハーフリングの王女が行方不明になっているので探して欲しいと王妃から頼まれたのである。
 もっとも、国王は、
「子供なんてまた作ればいいんじゃよ」
 とほざいとった。オニか、あんたは。
 PCは種々の情報から、火山近くに住むドラゴンが怪しいという結論に達した。そして幾多の試練を乗り越えて(あれ、そんなもんあったっけ)、遂にドラゴンの巣食う洞窟を発見したのだ!
 さすがにドラゴンは強かった。何しろ、咆哮を聞くだけでチェックが必要で、発狂する恐れがかなり高いのだ。しかし、我らが冒険者はそんなものには……やっぱり屈した。
 んが、ドラゴンと戦う必要は全くなかった。当のドラゴンが救いを求めたのだ。

「おーい、そこの人間とドワーフよ。わがはいの頭に乗っているクソガキをどうにかしてくれ」

 そのクソガキこそ、誰あろう行方不明の王女様であった。PCは強引に彼女を引きはがし、ドラゴンに王都まで送ってもらった。
 かくして余りにも苛酷な冒険は終わった。ハーフリングの王女は王妃にお尻ペンペン30回をくらったのだが、それはまた別の物語である(ってホントかよ!)。

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