17年度廃棄物工学試験問題と解答例(山本出題分)
問1 現行法における廃棄物の区分を簡潔に説明しなさい
廃掃法では、廃棄物を「一般廃棄物」、「産業廃棄物」に区分している。産業廃棄物は、事業活動に伴って排出される廃棄物の内、法律と政令で指定するもので、産業廃棄物に指定されない廃棄物はすべて一般廃棄物である。法律に明確な区分はないが、一般廃棄物のうち事業活動に伴って排出されるものは事業系一般廃棄物といわれ、原則として自己処理責任かず求められている。
また、爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害を生ずる可能性のある性状を有する廃棄物は、それぞれ特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物として、通常の廃棄物より厳しい規制が適用され、処理業者も特別の許可を要する。
( 一般廃棄物、産業廃棄物の区分について適切に説明してあれば5点、産業廃棄物の定義5点、 特別管理廃棄物の説明5点。)
問2 3Rについて、簡単に説明しなさい
3Rとは、Reduce(廃棄物の発生抑制) Reuse(再使用) Recycle(再生利用)の3つのRを意味する。
リデュースのためにはライフスタイルを見直し、「適切な消費」をすることが大事である。製品を供給する側では、設計やメンテナンスに工夫して製品の長寿命化につとめることが求められる。リユースはビールびんなどが代表的であるが、自動車やコピー機などで中古部品を新品に組み込むなどの再使用が行われている。リサイクルとは原材料として再利用することで、マテリアルリサイクル(原料リサイクル)、ケミカルリサイクル(化学的プロセスによるリサイクル)、サーマルリサイクル(エネルギー利用)がある。
廃棄物対策としてリサイクルのみが重視される傾向があるが、もっとも重要なことは廃棄物の発生を抑制して廃棄物の量そのものを減らすことである。また使用済みになったものはできるだけ再使用し、再使用できないものをリサイクルするという考え方に立つべきである。このように3Rには政策的な優先順位がある。
これはドイツの廃棄物回避法やその後の循環経済廃棄物法で示された概念で、循環型社会形成推進基本法でもこのような政策の優先順位を規定している。
16年度廃棄物工学試験問題と解答例(山本出題分)
問1 現行法における廃棄物の区分を簡潔に説明しなさい
廃掃法では、廃棄物を「一般廃棄物」、「産業廃棄物」に区分している。産業廃棄物は、事業活動に伴って排出される廃棄物の内、法律と政令で指定するもので、産業廃棄物に指定されない廃棄物はすべて一般廃棄物である。法律に明確な区分はないが、一般廃棄物のうち事業活動に伴って排出されるものは事業系一般廃棄物といわれ、原則として自己処理責任かず求められている。
また、爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害を生ずる可能性のある性状を有する廃棄物は、それぞれ特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物として、通常の廃棄物より厳しい規制が適用され、処理業者も特別の許可を要する。
( 一般廃棄物、産業廃棄物の区分について適切に説明してあれば5点、産業廃棄物の定義5点、 特別管理廃棄物の説明5点。 非常に甘い採点だが、事業系一般廃棄物が法律上定義してあるとか、粗大ごみが規定されているとか、いいかげんな解答も少なくなかった。)
問2 拡大生産者責任について簡潔に説明しなさい
拡大生産者責任(EPR)とは、製品のライフサイクルにおいて製品の使用済み段階にまで生産者の生産者の責任を拡大すること、すなわち使用済み製品が再使用、再生利用または適正処理されるまで生産者に責任を負わせようというもの。
そのことによって、使用済み製品の処理コストが価格に内部化されるとともに、再使用、再生利用しやすい製品づくりを促すことにつながることが期待できる。わが国の法律では、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法、自動車リサイクル法などにEPRの考え方が取り入れられているほか、「循環型社会形成推進基本法」において基本原則が示された。
15年度廃棄物工学試験問題と解答例(山本出題分)
問1 拡大生産者責任について簡潔に説明してください。
拡大生産者責任(EPR)とは、製品のライフサイクルにおいて製品の使用済み段階にまで生産者の生産者の責任を拡大すること、すなわち使用済み製品が再使用、再生利用または適正処理されるまで生産者に責任を負わせようというもの。そのことによって、使用済み製品の処理コストが価格に内部化されるとともに、再使用、再生利用しやすい製品づくりを促すことにつながることが期待できる。わが国の法律では、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法、自動車リサイクル法などにEPRの考え方が取り入れられているほか、「循環型社会形成推進基本法」において基本原則が示された。
問2 廃棄物の区分のうち、特別管理廃棄物について説明してください。
一般廃棄物、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害を生ずる可能性のある性状を有する廃棄物を、それぞれ特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物という。
特別管理一般廃棄物として電気製品のPCB使用部品、病院や老人保健施設から発生する感染のおそれのある廃棄物等があげられている。特別管理産業廃棄物は廃油、廃酸、廃アルカリ、PCB汚染物、下水汚泥、鉱さい等で有害物質の基準値を超えるものが該当する。なお特別管理廃棄物は通常の廃棄物より厳しい規制が適用され、処理業者も特別の許可を要する。
(下線部分のことが説明できていれば15点)
※放射性廃棄物を特管物と誤解している回答が少なからずあった。わざわざ放射性廃棄物を例示している場合は減点、特管物=放射性廃棄物としているものは0点。
14年度廃棄物工学試験問題と解答例(山本出題分)
問1 拡大生産者責任について簡潔に説明するとともに、わが国の廃棄物・リサイクル法制における導入の現状と問題点を説明しなさい。
拡大生産者責任(EPR)とは、製品のライフサイクルにおいて製品の使用済み段階にまで生産者の生産者の責任を拡大すること、すなわち使用済み製品が再使用、再生利用または適正処理されるまで生産者に責任を負わせようというもの。そのことによって、使用済み製品の処理コストが価格に内部化されるとともに、再使用、再生利用しやすい製品づくりを促すことにつながることが期待できる。
わが国の法律では、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法、自動車リサイクル法などにEPRの考え方が取り入れられているほか、「循環型社会形成推進基本法」において基本原則が示された。
しかし、容器包装リサイクル法では生産者の責任は自治体が分別収集した容器包装廃棄物の引き取りと再生利用に限られており、家電リサイクル法、自動車リサイクル法では処理費用の負担を消費者に求めており内部化されていない。このように、わが国の制度では自治体や消費者と責任をシェアするという考え方が強く、生産者の責任は限定されている。
(採点基準)
意外にも法制度についてきちんと述べられていない回答が多かった。EPRの説明については概ね回答できていたので、配点を多くし、@EPRの説明(7点)、A法律への導入状況(3点)、B問題点(5点)とした。
問2 再生資源の輸出が増大しているが、その背景と問題点を説明しなさい。
自治体の分別収集の普及やリサイクル施策の拡充によって再生資源の回収量は増大しているが、国内の需要はそれほど大きく増えていかないために、国内では慢性的に再生資源の余剰傾向となっている。
国内企業が製造拠点を中国をはじめとするアジア新興工業国に移すなど、産業構造の変化によって再生資源の国内需要が伸び悩む一方で、これらの国々では安価で加工しやすい再生資源の需要が高まっている。そのため、鉄くず、古紙、プラスチックくずなど、様々な再生資源が輸出されるようになっている。
わが国もかつては鉄くず等をアメリカから大量に輸入していた時代があり、国内で消費できない再生源を海外の需要国に輸出すること自体は悪いことではない。しかし廃棄物同様のものが輸出され、相手先国ではこれを選別する過程で環境汚染を引き起こしている例もある。資源の有効利用のためには、国際的なリサイクルも必要となってきているが、廃棄物の輸出につながらないよう、再生資源貿易のルールの確立が急務となっている。
(採点基準)
正答が少なすぎた。「ごみ読本」にある再生資源の市場特性について記述した回答が多かったが、質問はそのようなことを聞いていない。採点はかなり甘いが、それでも10点を付けた人は少なかった。採点基準は@国内で回収が増え、需要が伸び悩んでいることについてふれてあれば5点、A中国等で需要が増えていることについてふれてあれば5点、B廃棄物の輸出につながることを懸念する旨が記述してあれば5点。
▲TOPへ戻る | |△講義ノートトップへ |