「地域調査」の授業で、満点を採るには、どうしたらいいのでしょうか? ここでいう満点とは、学校の授業の地域調査であり、趣味としての「地域調査」ではありません。 つまり、中学校の先生として「地域調査」で何を教えようとしているのか 「ひろりん」なりの意見をザックリ書きたいと思います。 ※意見には個人差があります(さだまさし) |
中学校の先生は、地域調査で何を教えようとしているの? |
その謎にせまる前に、最初に頭に入れておくことがあります。 まず、はじめに、中学生が社会科を勉強する時に使うものがあります。 そうです。「教科書」ですね。 あの「教科書」 全国の中学生みんなが同じ「教科書」を使っていると思いますか? |
残念でした!「チーボー」 実は、あの教科書は都道府県や市町村ごとに、違う会社の教科書を使っているのです。 ある市はA社 ある市はB社など、さまざまです。 |
そうだよね! そこで教科書を作るのに、日本のどこの場所に住んでいても教える内容が同じようになるように、教科書の元があるんだよ。 聞いたことがあるかも知れないけれど「学習指導要領」(がくしゅうしどうようりょう)、 簡単に言えば教科の目標や内容などを文部科学省が決めているんだ。 教科書は、この学習指導要領に書かれていることに沿って手順や方法、学び方の事例などを工夫して作っているんだ。 |
うーん 「チボ」。 勝手に作ってもいいけれど、検定に通らなければ、教科書として正式に中学校で使うことができないんだ。 教科書が出来たら文部科学省に見せて、OKをもらうと学校現場で使えるようになるんだ。 これを「教科書検定」というんだよ。 OKが出ても、どの教科書を使うかまた、これが複雑でいろいろな課題があるみたい。 まあ今回は、その件にはふれないことにさせてちょうだい!。いわゆる大人の○○だよね。 |
いいところに気がついたね!「チボー」。 「ここは、もう少し違うように書き換えて・・・」と何度もやりとりをする場合もあるようだね。 ※意見には個人差があります(さだまさし) |
それで、ひろりん「地域調査の達人」の話はどうなったの? ぼくの名前は「ちぼー」なの???? |
ごめん こめん 「チーボ」 つまり「地域調査の達人」になるには、教科書のもとである「学習指導要領」の地域調査の項目を知っていれば、完璧なんだよ。 なんたって教科書の元だからね 「学習指導要領」をもっと具体的にしたのが、「中学校学習指導要領解説 社会編」だよ。 これはA4の大きさで161ページもあるんだ。 学習指導要領は、数年ごと(約10年前後)に変わっていくんだ。 今あるのは、平成20年9月のものだよ。 これは、大きな本屋さんでも売っている。しかも安い。社会は定価175円。 文部科学省のホームページでも一部見ることができると思うよ。 ちなみに、社会科だけでなく、全教科に「学習指導要領」があるんだよ。 「学習指導要領」は、現在の日本の中学生の学力や、日本社会のしくみ 国際社会の情勢など、いろいろ考えて国が作るんだ。 ただ、なんでもそうだけど、物事にはメリットとデメリットがある。 光と影がある。 現在の「学習指導要領」に賛成の人もいれば、反対の人もいるわけ。 しっかり社会科を勉強して、君なりの考えをもつことが大切なんだ。 そして、「選挙!」 日本の選挙の投票率はとても低いよね。 選挙権の年齢も下がるようだし、ますます中学校社会科のもつ 意味は重要になるね! 「未来の日本」を作るのは、国民一人ひとりの意見なんだ 中学校の「社会科」の先生の授業がとても大切になるよ! この「ひろりん」の意見も100%信用してはいけない。「学習指導要領」があるなら 自分で調べてみる。「ひろりん」の言うとおりだ。という場合もあるし そうじゃない場合もある。 「ひろりん」のような考えの人もいるんだ。 でも、私はこう思う。 と自分で調べて、考えて、意見をもつことが大切! ※意見には個人差があります(さだまさし) |
教科書の元になっている「学習指導要領」か。見てみたいな! ぼくは「チーボ」なの? |
具体的に「学習指導要領」を作るには、えらい大学の教授や学識者、それから優秀な中学校の先生が集まってつくるから、それは大変な作業だよ。 でも、ほとんど文字ばかりで、たまに四角で囲んであるけれど、中学生が読んでもけっして楽しいものじゃないと思う。中学校の先生が読んでも、かなり集中して読まないと理解できないものだと感じる本だね。 ひろりんも読むときは、マーカーや赤えんぴつをもって、線を引きながら読んでいるよ! ※意見には個人差があります(さだまさし) |
わかったよ チーボー! たくさんある地域調査に関する文章の中で、ざっくりポイントを抜き出すよ! |
学習指導要領 解説 社会 平成20年9月25日 文部科学省 エ.身近な地域 身近な地域における諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を行い、生徒が生活している土 地に対する理解と関心を深めて地域の課題を見いだし、地域社会の形成に参画しその発展に努力 しようとする態度を養うとともに、市町村規模の調査を行う際の視点や方法、地理的なまとめ方や 発表の方法の基礎を身に付けさせる。 (内容の取り扱い) エについては、学校所在地の事情を踏まえて観察や調査を指導計画に位置づけ実施すること。そ の際、縮尺の大きな地図や統計その他の資料に親しませ、それらの活用の技能を高めるようにす ること。また、観察や調査の結果をまとめる際には、地図を有効に活用して事象を説明したり、自 分の解釈を加えて論述したり、意見を交換したりするなどの学習活動を充実させること。(以下略) (学習指導要領解説 P56 原文はすべて黒文字。 赤文字 青文字はひろりんがつけたもの) |
この文章なら、中学生でも分かるね。 でもひろりん。事象という言葉は、中学生では使わないことばだけど、なに? |
これは、たぶん正確には「地理的事象」というものだと思う。簡単に言えば 1、ここに坂がある。 2.ここに信号機がある。 3.ここに駅がある。 こういうものを地理的事象というんじゃないかな? 次に、この坂は地震の時にできたのか? 津波のせい? 河岸段丘? といろいろ、疑問が深まっていくんだね。 |
上記の「学習指導要領解説 社会編」の青い文字は、この「中学生のための地域調査入門」のページで解説してあるから、ぜひそれを取り入れてほしいな。 まとめてみると 1.実際に自分の足で調査すること 2.大縮尺の地図を活用すること 「学習指導要領 解説 社会編」P57に5万分の1より縮尺の大きな地図と明記されている 3.調べたことを地図化すること。 (地理的なまとめ方) ※他の方法もあります。 4.調べて分かったことを、自分の言葉で文章にまとめる。 5.自分の意見を書く。(発表する) ※特に4と5をはっきり区別するといいよ。「調べてわかった事実」なのか、それとも「自分が考えた意見」なのか はっきり区別しよう。 |
そして、最後の裏技なんだけど、今回の「学習指導要領の改訂」で、新しく 地域社会の形成に参画し、その発展に努力ということばが、追加されたんだよね。 これは、調べて、分かって。こう思った。で終わらない。 なんと地域社会の形成に参画(さんかく)するんだから、驚きだよね。 「参加」は、今ある計画に加わることだけど、 「参画」は計画段階から加わることだから、 すごい目標が加わったとひろりんは思ったわけ。 少子高齢時代だから中学生が地域をつくるような態度を養う教科書に変わったのかも知れないね。 具体的に考えてみると・・・ ●地域調査をして、ゴミが多いまちだと知った。「どうしたらゴミが減るのだろう」と対策を考える 毎日、ごみを拾いながら登校するのは、「参加」なのかな? どう思う? ●チームを作って住民、役所、生徒会などでゴミ0作戦などの対策を考えて実施すれば「参画」になるのかな? どう思う? とにかく、今までの「地域調査」と違って、アクションを起こすことを求めているみたいだネ! 発表や地図にまとめて何か実際にアクションを起こしたことを、レポートにまとめたり、発表したり 報告すれば、満点だ。 ※意見には個人差があります(さだまさし) |
アクションね これは大変な目標だ! なんか地域調査が・・・・・・ |
まあ あきらくん 最初に書いたように、中学校社会科の授業としての「地域調査の達人」なんだから 成績は、そこそこで、楽しく安全に「地域調査」を楽しみましょう。 授業時間の関係で、「地域調査」をやるとしたら1年生か2年生の夏休みの課題にする先生が多いから、ぜひ、このホームページを活用してくださいね。 NHKの「ブラタモリ」は、仕込んである筋書きをタモリさんが解いていく地域調査の番組。 「家族に乾杯」は鶴瓶さんが、ノーアポでまちの人と出会う地域調査の番組。 あんな感じで、君らしく、「地域調査」ができると楽しいですね。 また、近いうちに「学習指導要領」について書くからお楽しみに! じゃあね! |