『UFOを取り巻く陰謀論』
「アルバカーキへ、放送を中止せよ。繰り返す。放送を中止せよ。国家安全保障上問題あり。放送するな。待機せよ、、、」
ロズウェル事件の際、『政府のUFO捕獲』の報道を行った
アルバカーキのラジオ局へ発せられたFBIからの電報
今回はUFOに関する陰謀論について紹介することにする。
UFO、陰謀論ともに真実味に乏しい話題であるだけに、
この2つの組合せを取り扱うことは非常にやっかいだ。
一歩間違えると、単なる笑い話になってしまう。
第一、UFOは自然現象や観測気球の誤認であるという意見もあり、
その可能性は極めて高い。
私自身、UFOをどう考えているのかと問われれば、
その存在を否定も肯定もしないといった感じ。
実は、私は『UFOらしきもの』をこの目で見た経験がある。
それは自宅の近くの山の上に浮遊していたのだが、
機体の底にライトのような発光物が円状に配置されており、
クルクルと順に点滅していた。
何とも無意味に派手なUFOだったと思う。
無論、見間違いによる誤認であるかもしれないが、、、
UFOとは周知のとおり、『unidentified flying object』の略であり、
『未確認飛行物体』と訳される。
つまりは、UFOとは何であるか判らないから、UFOと呼ばれるのであって、
UFOを「別の惑星から来た宇宙人の乗り物」と決めつけることは定義上間違いであり、
その場合は別の語で定義すべきである。
しかし、この場でのUFOは「何者かが内か外のどちらかで操作している飛行物」と定義させていただく。
UFOの歴史は1947年6月24日に始まったとされる。
アイダホ州ボイスにある消防設備供給会社のオーナー、
ケネス・アーノルドは自家用飛行機でワシントン州のカスケード山脈の上空を飛んである際に、
9つの丸い物体が十字形の隊列で飛んである様子を目撃した。
彼の報告をうけた通信社は、これらの物体を『ソーサー(円盤)』という表現を使って報道し、
この情報は瞬く間に国内、国外へ伝えられていったのだった。
この出来事を機会に、アメリカ各地でUFO遭遇の報告がなされるようになり、
一気に円盤ブームが巻き起こった。
これに対し、アメリカ空軍は、アーノルドの見たモノを『蜃気楼』と処理している。
そして、同年の7月4日、ニューメキシコ州ロズウェルにある飛行物が落下する。
ロズウェル事件である。
空軍は直ちに収集チームを派遣し、落下物の破片を回収した。
その際、担当将校ロジャー・レイミー将軍は部下に対し、
報道陣への箝口令を強いている。
こうした軍の意味深い行動がその後の様々な憶測を呼ぶのである。
1948年になってから、空軍はUFO遭遇報告をファイル『ブルー・ブック』にまとめ始めた。
そうして『ブルー・ブック』が導き出された結論は、UFOの目撃報告の90%が天文学や気象学の現象、
あるいは航空機、鳥、気球で説明できるというものであったが、
興味深いことに、ロズウェル事件についての記述が全くなかった。
あれだけの騒動になったロズウェル事件を無視する軍の意図は何に向けられていたのか。
やはり、何かしらの陰謀があったと考えるべきであろうか。
何はともあれUFO関連の陰謀論は判らないことが多すぎる。
とても一括りで説明することが不可能な程に様々な要素が複雑に入り組んでいる。
ここは一つ、UFO関連の陰謀論とは別の、宇宙計画についての興味深い話題を紹介することにする。
内容の信憑性については保証がないので、フィクション感覚で読んでいただきたい。
『人類は月に行っていない!?』
突拍子もない陰謀論を紹介する。
20世紀の大ニュースの1つである、
米国のニール・アームストロング率いるアポロ11号宇宙飛行士たちが
人類史上初めて月面に着陸成功したあの出来事が、
実は政府レベルで仕組まれたペテンだったという陰謀論だ。
1969年7月20日のあの全世界のテレビに映し出された感動的映像は、
月面からではなく、
アメリカ・ラスベガスからわずか90マイル離れた場所にある映画スタジオから送られていたというのだ。
このような主張を行っている研究家の一人、著述家ビル・ケイシングは
「人類は月には行っていない」(We Never Went to the Moon)という題の本を自費出版し、
アポロ計画における数々の疑問点を挙げている。
- 月面から見た空には、なぜ星が写っていないのか、
また宇宙飛行士たちが「星を異常に避けている」のはなぜか。
空の写真こそ、この世の人間にとってまたとない荘厳な写真であったろうに。
おそらく、撮影用のためのセットを作ったNASAの職人が、背景に星をちりばめたりしたら、
天文学者を到底騙しきれないと思ったのだろう。
- 月の表面が粉末状だったために足跡が深くついたとすると、
月面着陸ロケットのエンジンが穴をあけなかったのはなぜか。
また写真では月面着陸船の脚部に砂がついていないが、これはなぜか。
- アポロによる最初の任務により、月は「無菌」状態だということが証明されたのなら、
その後任務に就いた宇宙飛行士たちが、あんなに長く隔離されていたのはなぜか。
この答えとして、
- やましい気持ちを取り除くため
- 月に関するデータを勉強したり覚えたりするため
- 質問に答える練習をするため
の時間が必要だったことが考えられる。
- 多くの宇宙飛行士が結局、巨大企業の重役になっているのはなぜか。
ケイシングの導き出した結論では、NASAは1960年代末までに人間を送ることは不可能であると悟り、
ソ連に先越されることを恐れ、手の込んだ策略に走ったということだ。
策略の手順は次のようになる。
- 無人のサターンVロケットをフロリダで打ち上げる。
しかし、視界から消えた時点で、ロケットは南極の海に不時着させる。
- 宇宙飛行士たちはネヴァダ州にある秘密施設に空輸され、
そこでラスヴェガス選りすぐりのショーガールを含むあらゆる贅沢を満喫する。
当然のことながらショーガールたちは、秘密保持のために消去される。
- いよいよ幕が開き、特殊撮影チームとテレビカメラマン、それに月面監督が、
ほとんど完璧なパフォーマンスアートを作り上げ、
アームストロングが自作の「小さな一歩」というくだりを言う。
偽セリフの台詞はすべて「失敗、失敗」などというジョークにいたるまで「細心の注意を払って」
考えられ、宇宙飛行士があたかも即興で話しているようにみせかける。
- 地球への勝利の帰還に当たっては、宇宙飛行士たちはハワイ島の南にある秘密の空軍基地に手際よく運ばれる。
ここで宇宙飛行士たちは偽のスペース・カプセルの中に入れられ、C5−A輸送機から海に落とされる。
さらに、ケイシングは
数々の陰謀論でお馴染みのマインドコントロールが宇宙飛行士たちに施され、
『操り人形』にされた宇宙飛行士たちは言われるまま、
陰謀に加担するようにし向けられたのではないかと言う。
宇宙飛行士たちがその後ひっそりと隠遁生活に入ったり、
人によって『ひどい精神障害』を起こしたのも、
これで説明がつくとケイシングは主張する。
ケイシングはこのような考察を武器に、NASAや宇宙飛行士たちに挑戦状を幾度も送りつけてきた。
しかし、相手側は話しに応じる様子もなく無視を決め込んでいる。
それにしても、この陰謀論はあまりに信じがたいものであるように思われる。
だが、これが真実であるとなると、これほどに見事なペテンはないだろう。
アポロ11号の月面着陸は、紛れもない人類の歴史として語られ、
引き継がれていくのだろうから。
参考文献:
奇妙な論理U M・ガードナー 社会思想社
「超陰謀」60の真実 ジョナサン・バンキン&ジョン・ウェイレン 徳間書店
【超極秘】第四の選択 ジム・キース 徳間書店