12月
じゅうにがつ

12月31日(金) ああ、2021年

今日は大晦日。
今年はどんな一年だっただろうと、ちょっと振り返ってみる。


演奏活動を主とする仕事はコロナに振り回された。昨年に予定されていたコンサートが今年に延期になり、それもまたさらに延期になり、三度目の正直状態。緊急事態宣言あるいはマンボウ中、ライヴハウスにはまったく営業しなかったところもあるし、時短営業でいったい誰が聴きに来るだろうという夕方5時から演奏、20時には閉店を余儀なくされ、それでもライヴをやり。経産省、文化庁などの助成金による公演や配信なども。みんな、それぞれのやり方で生き残ることに、否、生き抜くことに必死だった。

そんな状況でも、2019年春に府中で立ち上げたコンサート(基本、季節ごとに4回/年の予定)を3回行うことができたのは、「心に音楽を」と思う強い気持ちと継続への意思の現れであり、あるいは意地だったと言えるかもしれない。無論、コロナ対策はできるかぎりのことを行って実施したが、実際、主催者としてはほんとに気が抜けない。疲れる。そして、この状態は未だ続いている。

ひとりのピアニストとしては、今年最後に演奏したコンサートで、ピアノの音色、弾き方には、自分にとってまだ未知の世界があると確信した。しばらくはそれを追究することになるだろう。時に、私は自分の音がきれい過ぎると思うこともある。でも、こんな自分は、こんな人生は、実にuglyだ。「Ugly Beauty」はT.Monkの曲名。


そして、空を仰ぐことが増えた。朝は必ず祈る。感謝する。夜は星を見る。夏に旅立った母を想う。天にいる父を想う。ご先祖様も想う。「死」はもうけっして遠いできごとではない。


それにしても、今週月曜日の夜、突然、ぎっくり腰がやってきた。前日のコンサートの時から急に寒くなり、身体が冷え切っている自覚はあったのだけれど、油断した。大掃除などまったくできず、最低な年末を送ることになってしまった。まあ、少しゆっくり休みなさいということなのかもしれないけれど。痛ーいのだあああ(涙)。


ということで、年末年始は静かに過ごすことにいたします。
新しい年がみなさまにとっていい一年でありますように。
(添付したのは、トラになったふなっしー。ふなっしーはいつでも自由だ。)


追記
年末、29日にジャズ評論家の瀬川昌久さんが逝去されました。大学の大先輩で、コンサートやCDのご案内を差し上げると、お葉書やお電話をいただきました。心からご冥福をお祈りいたします。




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