私どもは、情をかけた飼育体験の持つ 生物教育、愛情教育、人格形成への
良い影響を 必ず 子どもたちの成長する環境にいれて欲しいと思っています。
いま、親が動物を子どもに与えないので、
あまりにも 動物を知らない人たちが増えています。
トリインフルエンザの時のパニック、また先日のカメのことで
捨てカメが増えている、など、あまりにも非科学的な状況(今でも
学校の鳥を危険だと思って、子どもに触らせていない学校も多いようです)
愛情を粗末にする、などの状況、
また、自分の子を愛せない、抱き方も分からない、
抑制がきかず人を殺してしまう、
度を越したいじめなど は
子ども(幼児期から小学校中学年くらいまでが大事ですが)の
周りから 抱けて一緒に遊べる動物がいなくなったせいだと思っています
今、ペットブームと言っても、自分のために動物を飼う方々が主役で
子育て家庭で、抱ける温かい体温のある動物を飼っているのは
日本では2割ちょっとです。
欧米では、子どもと動物のいるのが完全な家庭との考えがあるそうで、7〜8割の
子育て家庭では動物を飼っていると欧米人から聞いていますが、
日本では 子どもがいないから、動物を飼う訳です。
(公園での光景として フランス人が言うには、
日本では犬をつれて散歩、あるいは子どもと散歩と別々だが、
フランスなどのヨーロッパでは 子どもと犬とを連れて散歩する、
これが家庭だそうです)
また
人も動物ですので、
動物の感情と体を理解することは、人への理解に通じます。人としての基礎知識です。
だから私たちは 9割の公立小学校で飼われている動物の飼育を
愛情をかけて飼ってもらうことを 人格形成教育にいれたいと思っています。
最近の話しですが、
血の通った温かい体を抱いたのは、お産をしたときが始めてだった
という、母親が増えているそうです、それでも抱ければ良いのですが、
「お母さん、抱いてください」というコマーシャルがありましたが、
「抱き方教えます」という タッチトレーニング教室もあります。
それは大変な事で、動物と引き離されて育った子、あるいは
愛情をかけて、弱いものを世話した体験のない子、青年たちが、
その影響の発現として さまざまな悲惨な事件が起きていると思っています。
今、人が壊れかけているという方もおられますが、
壊れるというより、人格形成されていないまま育ったのが、
10才以降、大人に逆らうことが出来るようになって、事件を起こしていると
思います。
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8月19日、京都で開催した全国学校飼育動物研究大会で
顧問の唐木英明東京大学名誉教授が、
「感性は理性と相対するもので、喜びや悲しみなどの感情である。特に恐怖と愛着は生
きていくために必要な感情であり、恐怖は自己保存に必要である(恐怖を感じない場合
は、危険を察知できない)。
愛着は種の保存に必要で、愛着を感じる相手を思いやる気持ちから相手のいやなこと
はしない、という理性にも繋がっていく。愛着の感情にはそれを呼び出す対象が必要で、またその感情回路が機能するには練習が必要である。
子どもはその感情を発達させるためにか、愛着の対象を求めている。それに動物が当
てはまると考えられる。
また子どもはお化け屋敷が好きだけれど、これは恐怖の相手も求めているのかもしれ
ない。
この全国学校飼育動物研究会は、学校の動物を愛着の対象として活用する事例を
集め、飼育のあり方を研究している。バーチャルでの体験では、愛着は育たないことが
明らかになってきているが、体験が体験のままで終わることなく、学習に繋がるような
方法を皆様と一緒に考えていきたい。」と述べている。
[2006/09/09 06:35:24]