記事タイトル:東京都議会での質問 


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お名前: 中川美穂子   
05年12月 東京都議会で民主党の石毛しげる議員が学校での動物飼育支援体制充
実のために質問してくださいました。教育委員会は下のように回答しています。
都議会では初めてのことですが、都内では800を超える公立の小学校・園にたい
して地域獣医師会がすでに自治体と連携して支援しています。がまだまだ認識して
いない自治外が多いため、獣医師会との連携で全域で良質な動物介在教育を子供達
にあたえられるように整備が進むことを望んでの質問だと理解しています。
             中川美穂子

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(石毛議員質問)

今、子殺しや幼児虐待のニュースが絶えない中、法務省は11月8日、少年非行を特集
し
た2005年版犯罪白書を公表したが、その中で少年非行の深刻な状況が続いているこ
とを、刑事政策上の最重要課題の一つと指摘している。
 刑法犯で検挙・補導される少年の、(全少年人口に占める)比率は上昇傾向にあり、
しかも手口が凶悪で罪悪感もなく、何が動機なのか理解しがたいような少年事件も後
を絶たない。
先頃の、タリウムを使って母親を殺害しようとした少女、板橋の高校生による社員寮
両親殺害事件、また、町田市の高校1年生が同級生を30分も追い回して50カ所も
さして殺した事件などは想像を絶するものがある。恐ろしいことに、この子達の共通
点は、事件を起こした後で改悛の情を示さないことである。また、冒頭の犯罪白書で
は、少年院の経験がある教官たちは「最近増大している少年の問題は、「思いやりや
人の痛みへの理解力・想像力に欠ける」(63%)「対人関係を円滑に結べない」(58%)
「感情をコントロールできない」(55%)などを挙げている。
この結果、改正少年法が施行された2001年4月から2004年末までに、故意の犯罪行為で
人を死亡させたとして家裁送致された16歳以上の少年のうち、重大事件として、検察
庁に逆送されたのは61%になり、その内57%が殺人、55%が傷害致死である。この逆
送率は法改正前5年間の平均(24%)と比べ大幅に増えている。まさに憂慮すべき時だ
と言える。
この「思いやりや人の痛みへの理解力・想像力に欠ける」、「対人関係を円滑に結べ
ない」、「感情をコントロールできない」、そして殺しても改悛の情を示さないと言
うことを改善するためには、道徳などの言葉による授業では限界がある。この対策に
は、幼稚園・小学校の人格形成に重要な時期に、命の大切さ、相手への思いやり、優
しさなどを体験を通して培い、人間の土台を創ることが必要だと言われている。また
最近、このような問題を起こすような青少年は、それを感じる脳神経を幼少時期に養
うことが出来なかったのではないか、つまり脳神経が欠損している、と脳科学者は推
測している。
実は、従来はこのような脳神経は、親の愛情のもとで自然や動物との交流を持つこと
で養うことができていた。特に抱くことができ、また目を見つめあうことができて情
を沸かせ、心を通わすことができる小動物を大事に飼うことで、子どもたちは弱いも
のを愛して庇うことを覚えてきた。つまり、言葉を持たない動物をかわいがる人は常
に動物の気持ちを、動物のしぐさや目の色で読み取る努力をしている。それで自然に
人の気持ちも思いやれるようになる、共感する心である。また、世話が面倒で嫌だと
思うときでも、動物に愛情がわいていれば、汚れたところでお腹をすかせる動物を放っ
て置けずに頑張って世話をするようになる。このことは、将来の子育ての疑似体験に
もなる。また、感情をコントロールしながら、我慢しながら汚れた仕事も進んで行い、
その結果、「きれいになったところで、喜んで餌を食べる様子に喜びを感じる」など、
責任感や勤勉性を養うことにもつながる。今、ニートが騒がれているが、勤勉性は小
学校中学年頃に培われると言われている。
このような、子供の成長に有用と思われる動物飼育体験は、現在は家庭でのそれが難
しいということになってきている。たとえば、西東京市と小平市の12校での調査で
は、家庭で何の動物も飼っていない子供は『53%』と一番多く、そして次に多いの
は、抱けない魚を飼っている子が『19%』、犬や猫を飼っているのが『16%』で
ある。実に貧弱な飼育体験と言わざるを得ない。それで昨今のように、電子ペットの
タマゴッチや、ムシキングなどが爆発的に流行り、子供たちの本能的な飼育欲求を慰
めているのである。しかし、これらには生命の躍動がないので、生命体験にはならな
い。動物を好きという子は多いが、実際には抱いた経験を持たないまま大人になる子
は多く、生きたウサギを抱いた後に初めて動物を実感したとか、「動物は何で出来て
いるの? どうして動くの?」という生徒も度々見られるとの報告もある。まさに実
態をともなわない知識と、現実の行動の乖離である。佐世保の事件では、殺した相手
に「悪いことをした。(殺した相手に)会ったら誤りたい」と言っているが、道徳の
勉強で知識として謝罪の言葉をのべているのであって、実際には、命も思いやりも感
じることが出来ないと言わざるをえない。恐ろしいことである。

 そこで、学校教育の中で動物体験をさせることを提案したい。子どもたちの心の教
育・生命尊重の教育、また人も動物であり、動物を知ることは人への理解につながる。
生物など科学教育などを、子どもたちが体得できるように、学習指導要領(平成4年
完全実施)にも、「学校での動物飼育」が明記されている。しかし、昨今の鳥インフ
ルエンザ騒ぎなど、世話の手間を敬遠して、学校では動物をよそに出したり、あるい
は世話不足で餓死させたり、との話しも聞かれ、実際にはどの程度の学校で飼育され
ているのか、また心の教育は何で行っているか、などについて、実態を把握する必要
があると思われる。
人格形成時期に、子供たちに命を理解させ、愛情や他への共感を養うことが急務に
なっている。犯罪を起こす時に相手の気持ちに立つことができれば、確実に犯罪が減
少するであろう。学習指導要領でも「心の教育」として動物飼育を奨励している。

 そこで質問をします。

Q1. 動物飼育を活用した心の健康教育の実施状況を把握し、推進していく必要が
あると考えるがどうか。
 答え:児童の健康調査のときに、心の健康教育も調査したい。

Q2. 児童・生徒に、自他の生命を尊重する心を育むには、学校における動物飼育
が大きな役割を果たす。誕生から死別まで、動物はその温もりを通して子供たちに
「生命」を実感させ、思いやりや慈しみの心を育ててくれる。校長や副校長などの
管理職なども含め、教職員は動物飼育がもたらす教育効果や意義を十分理解し、適
正な飼育が行われるよう、研修をするべきと考えるが、教職員の動物飼育に関する
研修はどのように行われているか伺う。
 答え:今までも教職員研修センターで行っているが、より充実させていきたい。

Q3. 学校における飼育動物の管理の徹底や、指導の充実を図るためには、専門
的な知識や技能を有する獣医師などとの連携が必要と考える。一方、獣医師が学校
に対し、丁寧に対応するためには、指導主事など学校教育の専門家が獣医師の研修
会に協力するなど、双方向の連携が必要と考えるが、都教育委員会はどのように連
携をしているのか伺う。
 答え:都として、今までのように獣医師との連携は大事にしていきたい。また今
回1月に行われる全国学校飼育動物研究会の全国大会の後援をしており、パネラー
としても指導主事を参加させているが、これからも出来ることを検討していきたい。
[2006/02/03 13:44:40]

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