記事タイトル:揺れる「動物教育」〜「獣医師と連携を」態勢充実が急務 


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お名前: 中川美穂子   
●6月4日に都内で開かれた、フランク・アシオーン氏(ユタ州立大学
心理学部教授)を迎えての
「動物虐待と人への暴力行為に関するシンポジウム
〜動物飼育ときれる子ども−心の病気の指標として−」
 に関する新聞記事が出ました。

シンポジウムは、
・動物虐待は人への暴力と関係する。
・動物への共感度が上がると人への共感度も上がる。

ということに関する研究結果の講演会でした。
そこで私と鳩貝先生が、教育指導要領の説明から、
 日本での対応をお知らせしました、

シンポジウムの後、この記者さんは「まず自分の子の小学校を助けて飼育を
充実させたい」と語っていました。

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読売新聞(2006.6.8)朝刊 くらし・教育面

<生き物に親しみを持てる・感染症など不安>
〜揺れる「動物教育」〜「獣医師と連携を」態勢充実が急務
 

 情操教育の主役か、危険な感染症の媒体か。学校で飼う動物の扱いをめぐり、
教育現場が揺れている。学習指導要領でも必要性を強調している「動物教育」だが
その効果を上げるには課題が多い。

 昨年、千葉県内の女児が、家庭で飼っていたミドリガメ(ミシシッピアカミミガ
メ)によると見られるサルモネラ菌で髄膜炎を起こした。
いち早く反応したのは厚生労働省。爬虫類を衛生的に取り扱うよう都道府県などに
通達を出した。
これを受け、文部科学省が今年2月、小学校などで爬虫類の飼育を「控えるべきで
ある」と全国の教育委員会に通達。
その直後には環境省が、ミドリガメが捨てられて在来種の生態系を壊すと懸念し、
「遺棄の防止」を求める通達を出した。

 3省の通達の谷間で対応に苦慮したのは、ミドリガメを飼う学校だ。「処分しなくてはいけないか」という問い合わせが文科省に相次ぎ、
同省は先月18日、都道府県教委の連絡会議で、動物由来の感染症は手洗いの励行
などで防げるとしたうえで、
(1)処分は求めていない(2)獣医師と相談して清潔な飼育環境を整えるか、
保護者らに引き取ってもらうーと指示した。

 動物由来の感染症問題で教育現場が混乱したのは、今回だけではない。

 鳥インフルエンザが起きた一昨年にも、専門家が「人に感染するおそれはない」
としたにもかかわらず、ニワトリ飼育を中止する学校が続出した。

 動物教育に詳しい国立教育政策研究所の鳩貝太郎総括研究官は
「教師に科学的知識や飼育の体験がなく、トラブルに対する恐怖心もあって、
パニックを起こしがちだ」と分析する。

 日本では古くから学校で動物が飼われていたが、一気に広がったのは、1992年の
生活科導入がきっかけだ。学習指導要領は、動物飼育を通じ「生き物への親しみを
持ち、大切することができるようにする」ことを、小学校1・2年生の目標に掲げた。
鳩貝さんが2003年に全国の小学校約900校を対象に行った調査によると、
動物を飼う学校は9割を占めていた。

 しかし、飼育環境を整備するために予算を確保している自治体は少ない。
飼育を担当する教師は相談する相手もなく、<孤軍奮闘>を余儀なくされており、
こうした現状が感染症などの危険が報告されるたびに起きる混乱の要因になって
いるという。

 鳩貝さんら研究者は4日、教育関係者を集めて都内でシンポジウムを開いた。
長年学校の動物にかかわる獣医師の中川美穂子さんは「学校と獣医師の協力体制を
行政が整えることで、教師の知識、体験不足を補える。親も飼育に参加すれば、
教師の負担も軽くなる」と関係者の連携を訴えた。

 情操教育の主役を支える態勢の充実が急務だ。(記事 松本美奈)


 
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    中川美穂子発信 m-nakagawa@vet.ne.jp

「全国学校飼育動物研究会」事務局長  
   http://www.vets.ne.jp/~school/pets/siikukenkyukai.htm
全国学校飼育動物獣医師連絡協議会 (CAS)主宰
 「学校飼育動物を考えるページ」
  http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
  202―0023 西東京市新町5ー16ー29
  0422ー53ー7099(中川動物病院内)
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お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター 研究協力員 
社)日本獣医師会 学校飼育動物委員会 副委員長
日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会 (動物介在教育支援)副委員長
社)東京都獣医師会 理事
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[2006/06/15 09:19:13]

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