記事タイトル:東京新聞 2005.4.26本音のコラム ゆとりと学び 


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お名前: 中川美穂子   
東京新聞 2005.4.26付

本音のコラム ゆとりと学び

 「学力低下の元凶」とされていた「ゆとり教育」。その予想外の結果に驚きが。というの
も、学力が「向上」していたからです。小中学生約四十五万人の学力テスト正答率は上昇。
それ以上に、「学ぶことが大切」「好きだ」と答えた子どもが増えたという点こそ、大注
目。
 「知らないことを知る、純粋な楽しさ」「知的好奇心」が、「ゆとり教育」のおかげで
目覚めたのだとしたら?

 「学ぶ」ことの神髄を掴んだとは言えませんか?素早く計算したり、たくさん暗記する
ことよりも、「知ることの快楽」を発見したこと。「学び」にとって、その体験はあまり
にも深い。「ゆとり教育」の方向転換に走る文部科学省は、この結果を深く考察しなけれ
ばならないはず。
 学校での動物飼育を通じて「動物と子どもの交流を作り、命の実感を与え、情愛を豊か
に育てたい」と獣医・教師が中心になり、全国学校飼育動物研究会が昨年発足しました。
「触れあい、体験的な学びを通して、命を教え、愛情や共感を培うことを目指していま
す」と同会の中川美穂子獣医。「ゆとり教育」から生まれたこうした学習が、子どもたち
の学ぶ意欲を育んできたのだとしたら・・・。
 文科省が今、切り捨てようとしている「ゆとり」の中に、実は最も大切な「学び」があ
るのでは?
                 【 山下 柚実 ノンフィクション作家 】
[2005/07/17 09:15:57]

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