記事タイトル:学校獣医師とは 


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お名前: 中川美穂子   
 今、学校を取り巻く状況の中で、
各産業、団体が多くの要求を学校に向けて発信し、大きな団体からの筋をとおして
の活動の結果、いろいろな試みが学校に嵐のように参入しています。

 教育者の方々は、この学校に関わる獣医師の活動も同じように外圧と、とらえてお
られるかもしれません。しかし、この活動は、多くの「子どもを持って学校に通わ
せた経験のある」獣医師が持ってきた疑問、そして何とかしたいと思った結果の活動
であり、すでに20年以上の経過があります。 

飼育動物の状況、それに心を傷めて
獣医師に助けを求める子どもたち、学校の動物の状態に憤慨する獣医師の子どもた
ち、学校の方針の中で動物を心配して悩む先生がたなど、子どもたちの様子を見ての父母
からの訴え、など直接的な訴えや担当教員の悩みなどを見て、獣医師たちはほってお
けなかったのです。 実際、どこでも一生懸命活動している獣医師は、子どもさんを
もっておられる方が多いのです。また教育者の中には、「現状では飼育は無理だから
やめる方が良い」とのお考えがあります。

しかし、
*獣医師支援の動物ふれあい教室のあとに、「動物はなにで作られているの?どうし
て動くの?」との質問が低学年の複数の子から出てくる。
*動物を好きという6年生も「今まで動物に触ったことがない」「飼育舎には鍵がか
かっていた」という現実*教育系大学生の持つ飼育の印象は「汚くて臭かった」
「そばに行ったことはない」「そう言えば、あったな」などが多くみられ、中には
「動物嫌いの子を閉じ込めていじめた」などがあった*獣医師が実習として、幼児
教育系の大学生に動物を抱かせようとしたら「キャー」となだれをうって逃げ出し
てしまった、
*わが子に御飯を与えない若い親たち(思いやりの気持ちがなく、生体も理解して
いない)(また、多くの親が、子どものために動物を飼うと言う面倒を引き受けよ
うとしない)

などの現実を考えれば命を見つめて日々仕事をしている獣医師は 子どもたちに命
を実感させる有効な体験が必要だと思って、学校での飼育を支える活動しています。
なお、その教育系の大学生達は人への動物の潜在的・顕在的影響の話と、1時間の実
習の後は「嫌いだったけど抱いている内に自然に(どうしたらこの動物に苦痛をあた
えないで抱けるか)と考えていた。この(弱いものをおもいやる気持ち)は子どもに
も湧くはず」「今まで考えたことは無かったが、子どもに生きた動物を丁寧に飼育さ
せる事は重要なことである」「自分は、動物を触ることを、汚いからと、親からずっ
と禁止されていたので、動物をさわると痒くなるが、このように小さいときに動物を
触れあうことができていたら?違っていたはず」などと記述し、全ての学生が「幼児期
から小学校時期の飼育は重要である」と答えています。

 今、動物愛護思想が力をまし、学校での飼育への風あたりが強くなってきましたが、
以上のような、「飼育の教育的意義」を踏まえて ぜひ、地域の獣医師の専門的な知
恵と技術の助言のもとに、飼育を支えてほしいと思います。
 これは文部科学省の指導方も同じ想いです。(学習指導要領の生活科の指導書にも明記
されています。また昨年動物愛護法にも明記されました)なお、教育方に理解して頂き
たいのは、獣医師は学校に金銭的報酬を求めて関わりたいのではない、と言うことで
す。 
 学校に関わっている獣医師は動物病院での診療が生業ですから、病院に居る方がよ
ほど収入があります。私の地域では獣医師は年間9万円くらいの報酬で学校に関る契
約です。が、学校を訪問している内に実は 大きな患者を逃すこともあるのです。開
業獣医師にとって、一番辛いのは病院を留守にすることです。しかし、全国で今、
「子どもたちのために」との想いで、気持ちをくくって獣医師は学校に関わってい
ます。
 学校獣医師制度は 動物の子どもへの影響、飼育の意義、意義を得るための飼育の
条件などを、履修する事ができないまま、子どもたちに動物を示す立場になってし
まった教育者の方々を援助するために、自治体行政、父母を交えて学校の飼育を支
援する体制です。教育者の皆様は、地域の獣医師を信用していただきたいと思います。
きっと、楽になります。
 首都圏での調査では、支援を受けている学校の83%が歓迎しています。なお、現
在この全国学校飼育動物獣医師連絡協議会に参加して、情報をやり取りしている獣医
師は400名を超え、ほとんどの県や政令都市の社団法人の獣医師会が参加していま
す。 

 今年7月の調査では、全く「学校飼育動物対策」に対応をしていないのは、2県の
獣医師会だけになりました。しかし、ここも自治体行政からの要望があれば対応に向
かうでしょう。

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 全国学校飼育動物獣医師連絡協議会(CAS)
    (動物介在教育支援)   
    主宰 中川 美穂子      
 TEL0422-53-7099   FAX 0422-56-9086    
     m-nakagawa@vet.ne.jp     
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[2003/07/23 17:10:36]

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