記事タイトル:2月4日、ズームインスーパー:生活科は教室にうさぎ小屋を造ってばかりで)という 


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お名前: 中川美穂子    URL
NTVのズームインの担当者からは 反応はありませんが、
 同社の教育関係の記者を交えて多くの方からのご意見が続いていますので、一部を
お届けします。
また、文部科学省がHPで「生活科についての一部報道について」
 報道内容からの誤解を訂正するため意見を掲載しています。
  「特に生活科だけを見直す というのではない」
http://www.mext.go.jp/a_menu/gimukyou/meeting/05020401.htm
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いただいたご意見から
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教育関係の出版社の方)
 最近のマスコミの言説には腹が立つやらあきれるやら、です。
当社の教育誌も含めて、飼育や栽培の意味について学校内外できちんと声を上げ
ていかないと今後百年に禍根を残しかねません。

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他の会社の広報の方) 
まず、文部省や世論(マスコミ?)にある、学力低下への懸念と方針転換への議
論について。
“ゆとりのある教育”を目指していたわけですから、
そういうことは多少なりとも織り込み済みだったはずです。
それよりも心の教育を今は優先しなければならない、という英断だったわけです。

それなのに、「学力が下がったから方針転換しろ」という議論は
あまりに日和見的です。心の教育への成果が一朝一夕に現れないことは
誰でも想像がつくと思います。
自由に意見を述べるのは結構ですが、それをマスコミは煽ってはいけないと
思います。司法・立法・行政に次いで“第四の権力”と言われてきた
マスコミの力は、もはや“第四”ではありません。

その点をもっとマスコミは自覚すべきです。

さらに言うなら、そういう議論が持ち上がったら、ゆとりの教育についての過去
の映像や記事を取り上げて、そこに至った背景やねらいについて、もう一度伝え
て欲しかったですね。

心が豊かになり、一方で学力が向上することが誰しもの理想ですが、大切なのは
その優先順位と程度です。
教育現場が一度にできることは限られます。

それから解説員の方ですが、
「ウサギ小屋ばかり作ってどうするんだ」の発言は、
『なぜそうしているのかの背景を私は調査もせず論評しています』
と言うのに等しいものです。
問題はそういうところにあるかもしれないとご自身で論じられるなら、
それについて少しは勉強してからコメントしていただきたかったですね。
「どうするんだ」は、逆にアナウンサーや視聴者が
聞きたいところだったんじゃないのでしょうか?
そのために解説の方がいらっしゃるんじゃないかと思います。

中川先生がおっしゃるとおり、学力低下を懸念する大人の世代と違い、
今の子供たち(20代までそうかも)の世代は生き物への理解・接触が非常に低
い、という大前提をその大人達との間の議論におかないと世の中がとんでもない
方向に行ってしまうと思います。

いずれにせよ、マスコミの影響力についてマスコミはもっと責任を感じるべきで
す。世の中を騒がせすぎているのもマスコミだということを。
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政治家)

 今の世の中は、何よりもお金が最優先です。企業だけでなく個人のレヴェルに
おいても、自然を大切に残すことよりも経済的な合理性を優先する様な風潮で
す。その結果、子供たちが自然や動物と触れ合う機会も場所も無くなっており、
眞に残念に思っております。
 子供たちが動物を飼うことで一番大切なことは、物言わぬ動物が今何を必要と
しているのかを、子供たち自身が発見することだと思います。動物飼育を通じ
て、他者を思いやる感性を育んでゆくことは人間形成の上で非常に重要なもので
す。ところが、今の子供たちの親や教師は、子供の頃にそうした経験を持たな
かった人が大勢いるようです。生きることの大切さ、死への畏敬など、今の子供
たちの世代には、しっかり伝えたいと思います。
 私自身も、昔飼っていた動物たちのことをよく思い出します。何十年にもなり
ますが、そうした記憶は目に見えぬ財産なのかもしれません。
 私も政治家の一人として、人間と動物の関係を更に考えていきたいと思います。

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NTVの教育問題の記者のメールから)

先生のメールをみて感激しましたので、ご連絡させていただきました。
先生のおっしゃるとおり、家庭や地域が崩壊する中、本来なら家庭で行うべき生
活の基本を学校が肩代わりしている、という実態を、こうした問題を論ずるコメ
ンテーターや政治家がまったく知らない、というのは本当に同感です。

わが社のズームインでのコメントも、私は実は放送を見てはいませんが、
・・・おはずかしい限りです。

私は教育問題を中心に取材していますが、先日、学校を視察した文部科学大臣が
「国語や数学の時間がなかなか足りない」という教員の意見に対して、私見とし
て「それならば総合の時間を見直すことも検討してもいいですね」(削減とは
言っていない)と言ったのを、ある2つの新聞が「削減へ」と見出しを書いたもの。
(我が国は)大臣の一言で指導要領が変わるほどの独裁国家ではないので、ちゃ
んと審議会にかけて今から議論をすることは決まっていますが、見出しをみた人
々はもう削減が決まったと思ってしまうでしょうね。

(中川)
 飼育の良い事例をニュース番組で紹介したいそうです。良かったです。
*************************
(中川) 
どちらにせよ現場の声がとどくように、学校もどなたからも発言していくことが必
要だと、感じています。今は文部科学省にも官邸にも、直接意見がいえるように
なっています。先生方は匿名でも、現場の状況をお知らせしたらいかがかと思っ
ております。

 ゆとり教育に反対が80%を超えたとの記事が読売新聞6日朝刊の一面
トップで掲載されましたが、報道により不安にかられて、道徳性や実体験を軽視
し、知育一辺倒の中に子どもを追い込もうとしている親がこの調査に応じている
のですから、当然の数字だと思います。

良識人がおとなしくしている内に マスコミが世論をとんでもない方向につれて
いくのではないかと危惧しています。
 昨年の鳥インフルエンザの時のように、

あのときは、鳥があちこちで捨てられ、学校の鳥や神社の鳥が殺され、アヒルを
飼っている家庭に投書が入り、そこの子どもが学校でいじめにあいました。また
死んで検査を受けた鶏たちは、殆ど全て餓死だったと聞いています。
怖くて餌もやれなかったのでしょうか? 農水の獣医師達が辛そうに教えてくれ
ました。鶏を心配しながらも、仕方なく大人に世話を任せたこどもたちには と
ても言えません。
  マスコミの影響が大きかったと思っております、
                  
[2005/02/09 11:52:30]

お名前: nakagawa mihoko   
頂いた反応メールを紹介いたします
  生活科や総合は、うまく活用できればすてきな授業です。
こどもたちが生き生きと自分で考えて、自分の言葉で話します。 
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小学校教諭)

NTVへのメール、読ませていただきました。
大げさかもしれませんが、涙が出るくらいそうだそうだ!と思いました。
文科省をはじめなにも知らない批評家は
あまりにも簡単に現場を評価し、簡単にあれを
やめろ、これをやれと指示だけ出してきます。
私たちは何も抵抗できず、
受け入れるしかありません。
生活科が導入されたとき、私たちが何年も前から
指導計画や内容について研究を重ね、
戸惑いながらもスタートし、ようやく10年以上が
すぎ、定着してきたところに、今日の新聞を見て
驚きました。
総合についてはもっとひどい話で、生活科よりも
さらに学校独自のカリキュラムを求められ、
活動例も指導書もない中で、
生活科と同じように、校内での研究として、
真剣に取り組んできました。
それをここに来て、突然の削減。・・・要するに、総合よりも算数や国語をやって、
学力テストの点をあげることのほうが評判がいいと、思い始めただけだと思うのです
が。
今日も同僚と、仮に総合が少しでも
残るようなら、きっと英語か、コンピューター教育を
やらされるんじゃないか、と話していました。
単元一つが変わっても本当に大変なことなのに、
あまりにも勝手過ぎます。
ゆとり教育とは、子どもたちの学ぶ意欲をうしなったり学力低下を招くものではない
はずです。
普段の授業から学べないこともたくさんあります。
学力低下の問題は、学校で生活科や総合が
導入されたことばかりではないことにどうして
気がつかないんでしょうか。
子どもたちを取り巻く環境、生活そのもの(家庭も含めて)も大きく変化し、やる気
や心の育っていない
子どもたちが増えていることに気づいてほしいです。

朝日新聞には、文科省の文部科学審議官が、義務教育改革について学校現場で話し合
うスクールミーティングの場で、教員からの生活科の質問に対して、「導入当初から
先生方は苦労されて、飼育活動のウサギ小屋ばかりできたという批判もある。」と課
題があることを認めた。
と書いてあります。
NTVの解説員だけが言っているわけではないようで、愕然としています。
小さな努力や成果を平気で踏みにじります。
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小学校教諭)お話を聞いて憤慨しました。
こんな大人が多いから、子どもが思いやりの心をもてなくなるのだと思います。

どんなに小さい命でも、一生懸命生きていることに変わりはない、同じ様に一つしか
ない命を持っていて、痛みも苦しみも感じるのだから、それをわかってあげられるよ
うな、そんな人間になって欲しいと私はいつも思っています。
だから、飼育小屋でいじめられたために、クラスで人間とともに生活することになっ
てしまった、我がクラスの鶏を通して、くり返し話をしています。
中略) 
それこそ、国語や算数の力をつけることより大切なことではないでしょうか。
頭でっかちで心が伴わなければ、オウム真理教のような身勝手な人間が増え、結局自
分たちで自分の首をしめることになります。
先ずは人間性を磨くことからです。
今は人間性のない大人が多すぎると思います。だから子どもも自分勝手な子になって
しまうのです。
これでは、明るい未来はありません。
そのためにも、大人の考え方を変えていく必要があります。

先生のメールを読ませていただきホッとしました。
私も気になることがあったらどんどん意見を言っていこうと思っています。
そして、自然も動物も含めて、全てが救われる世の中にすること、人間が自分以外の
ものにも思いやりの心をもって接することができるようになることこそが、最終的に
人類を救うことになるのだと私は信じています。
ーーーーーーーー
小学校校長)先生のNTVへのメールを拝見し、感動しました。
算数・国語などの成果を挙げるための小手先の技術ばかりを
論じても、子どもの成長には効果はありません。
真剣に生きよう、誠実に生きようとする、人格的な育ちが
根底になければ、学習は生活に生き、本物にはならないと思います。
生命にかぎりあることを知ることで、自分をふくめて生きるものへの
深い愛情が育ちます。
また、そのことで自分の力を精一杯発揮しようとする姿も生まれます。
生物的な生命への気づきから、精神的な生命の発露がなされると確信します。
 ーーーーーーーー    
小学校教頭)
朝日新聞の一面の見出しに生活科見直しの記事に驚きました。 
やはり流れは学力低下に危機感をもっている人たちの主張が強くなっているようです。 
発表会のテーマに「学力」の文字が入っているところに集まる傾向があるようです。 
「学力」とは何かを議論していたのに、結局、学力とは読み書き計算に重点が置かれています。 
それはおかしいのですが、流れはそちらに向かっています。困ったことです。
ーーーーーーーーーーーーーーー
会社役員)まさに、反論のメールに同感です。
ーーーーーーーーーーーーー
教育学者)中川先生のご意見全く賛同します。 
「一生懸命 国の宝を育てているのです。」全くその通りですね。
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団体役員)この中川様の反論(批判的意見)に、どのように応えてくるか 
それに大きな関心があります。 
 我が家は栃木県の小さな市(那須塩原市)にあり、廻りにはまだまだ 
自然環境が沢山?残っています。子供達が自然や家畜、動物に触れたり、 
身近に感じる機会が沢山あるところです。しかし、子供達はそれほど関心 
や興味を持っているとは思えないのが実情です。 

 見ていますと今の子供達の親世代、と言うのかその親世代を育てた一代前 
の世代なのか、とにかく勉強という名の実体のない教育にばかり熱心です。 
家の家内は、小学校の図書館にボランティアで行っていますが、もっぱら 
子供の叱り役です。つまり、常識的なこと、弱い子を助けるとか、みんなのために 
熱心に働くとか、本当に基本的なことが何も出来ない、と言うのか、そんな意識が 
初めから無い子に、それを教えています。頭もこつんとやるそうです。 
 何故なんだろうと思うと、親(大人)に問題があると思っています。 
  
 物言わぬ動物の心を汲んでやる、動物(人間)生きていること・生きていくことの 
大変さを何も教えていない。 
 だから、せめてこれからでも、これから育つ子供達だけにでも、動物に接して 
欲しい、命が、生きていることが伝わってくるはずだからと思っています。 

 中川さんのご活躍に期待するところ大です。
[2005/02/05 03:00:16]

お名前: 中川美穂子   
2月4日朝6時40分ごろ:NTVのズームインスーパーで
 新聞記事の解説で、生活科の見直し、という話しがありました。
 これに関し解説員が「信じられないけど、小学校の1,2年生は理科と社会を
一緒にして生活科をつくっているが、学校は何をやっているかというと、うさぎ
小屋を教室に作ったりして、うさぎ小屋ばかり増やしている」と 論評なさいました。
それについて、以下のようにメールを差し上げました。
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いつも拝見しております。
ただ教育に関し、ご発言におおいに反論があります。
新聞をみて、生活科の見直しについて論評なさいましたが、こどもたちの現状を
ご存じないと思います。理科は特に実体験が基本にないと理解できないし発展もない
のですが、
 今のこどもたちはゲームや机上の勉強など 実際に動物にさわらないまま大人
になります。学校に動物がいても、関心も持たず、さわることができないまま育つた
め、生きている物を理解できません。高学年になっても、ある動物の存在の実感をも
たないまま、あるいはどこでどのように生活しているかもしらないまま、細胞をいじ
るような勉強をしがちです。

 多くのこどもたちは動物はかわいいと言いますが、実際にだかせると 子猫の小さ
な爪があたっても イタイと放り出します。放り出された小さな子猫の体を心配する
などとてもできません。また、うさぎなどを実際に抱かせたあとで、「動物は何でで
きているの?どうして動くの?」と質問がでます。

今ペットブームといわれますが日本では50代、40代の人が自分のために犬やねこ
を飼っているので、子育て世代は2割もかっていません。飼っていてもさわれない水
槽の魚がほとんどです。手間が嫌われます。また、動物は汚くて不潔という常識が
流布され、親は飼おうとしません。
幼稚園で「台風一過」などの言葉を言う子がうさぎをみて「スイッチはどこ?」といっ
て、先生が仰天したはなしもあります。実際あちこちで聞かれます。

 今、あまりに酷い事件が多く、子供達に命の大切さをどうして伝えようと社会は方
法論をさがして大騒ぎしていますが、子どもはある特定の動物をかわいがり、それが
死んだときに「冷たさ、2度と動かない」ということを理解し、大泣きします。
 日本の9割の学校にいる動物達にこどもたちが関心をもち、かわいがることで
命を教え、しかも実物を前に理科的な刺激を与えることができます。

 日本のこどもたちの場合、家庭教育が壊れてきているので 本来家庭で与える
べき体験を 生活科という科目をつくって与えています。ノーベル賞をもらった科学
者も口をそろえて「小さい時はたっぷり遊んでいた」といってますが、幼児期から小
学校中学年までは、自然の中で身体を使って十分に遊ぶ(体験を得る)事が大事です。
それで色々な種を頭にためて、やがて5年生以降、抽象的なことを教科書で習ったと
きに、苦労なく理科などを理解できます。体験の伴わない知識は知恵とはなり得ない、
ということが教育の常識です。

 つまり「教室でうさぎ小屋をつくってばかりで 何もならない」という発言は、子
どもたちの実際をあまりにも知らなすぎる発言だと思います。今は目に見える成績よ
り、人格の土台を培うことが社会の急務です。つまり英語や算数の成績が良くても、
それをどのように使って生きていくかを考える人格です。飼育は「世話は面倒だけど、
かわいくなるとかわいそうでほっておけない」という我慢や責任感も教えます、
そして動物から頼りにされる喜びも伝えます。大人から庇われているばかりで、自分
のことしか解らない存在が、本気で言葉をもたない小さな動物を庇うことを覚えます。

 今、死んでもよみがえることがある、と、15%から20%近くの子が答える
のです。
今、社会は、生きている、あるいは死を実際には理解できない子達を育てているので
はないでしょうか?だから佐世保の事件のような、殺した相手に謝りたい、という言
葉が出てくるのでしょう。

イベント的な動物番組より、愛情と科学的な視点を養うような、継続したそして情を
わかせるような飼育体験が広まるような番組を作って頂きたいと思います。

 あのような言葉で、学校の先生方が、こどもたちに命を伝えようしている試み
を馬鹿にすることは、謹んで頂きたいと思います。動物(人間を含む)を理解できな
いから、昨年のように鳥インフルエンザでパニックになったりするわけです。
 冷静な国民を育てるために大きな働きをするマスコミとしてご支援下さい。

 教科書では伝えられないけれど、大事な人の土台を作らずして、国の発展はありま
せん。家庭教育がしっかりしていたら、生活科は必要ありませんが、今は、親も子育
てより経済活動を優先する世の中です。動物園にも、くさいといってつれた行きたが
りません。ロボットの動物などもってのほかの考えですが、本気で「糞もしないし、
スイッチをきったらせわしなくて良いから、動物のかわりに」という世の中です。

子どもに何を伝えたいのか、と考えます。

 学校ががんばるしかないでしょう。教室内にうさぎ小屋を造るという試みはあ
まり聞きませんが、もしもあるとしたら、その担任は危機感を持っていて、これが子
どもに良いと思って努力なさっているのです。
 一生懸命 国の宝を育てているのです。
[2005/02/04 08:00:29]

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