京葉線複々線化

2000年8月訪問

JR東日本京葉線は現在の川崎貨物駅から木更津までの貨物線として計画され、その後いろいろあって結局川崎貨物−東京貨物ターミナルが東海道貨物線として、東京貨物ターミナル−新木場がりんかい線として(東京テレポート以西は工事中、一部は車庫への引き込み線としての利用)、新木場−蘇我間が京葉線として開業しています。都心アクセスルートとして東京−新木場間が幻に終わった成田新幹線のルートを一部利用して京葉線に組み込まれて東京−蘇我間が京葉線となっています。りんかい線と京葉線が合流する新木場から蘇我にかけては複々線化の準備がなされているようです。分岐点などあちらこちらにその痕跡が見られます。

新浦安付近の橋脚新木場で京葉線とりんかい線が合流するのですが、合流点は新木場から蘇我寄りで、京葉線の上下線の間にりんかい線が入ってくる形です。この形になるなら方向別複々線になります。外側線が急行線、内側線が緩行線になるのでしょうか。新木場付近は有楽町線の車庫への引き込み線が寄り添っていますが辛うじて複々線分の用地はあるようです。しかし、橋脚などは複々線化を考えた設計にはなっていないようにも見えます。葛西臨海公園から舞浜までは海側に用地が確保されており、舞浜駅の手前で現在線が海側に移るので複々線化用地が山側になります。写真は舞浜−新浦安間の道路をまたぐ部分で、鉄製の橋脚に橋桁の取り付け座が見られます。駅の配線ですが、葛西臨海公園は現在のまま、舞浜は山側に線路とホームを新設、新浦安は現在のままと思われます。運輸政策審議会の答申では新木場−新浦安を複々線化し、新浦安から先は少し山側に入って船橋に達する路線が挙げられていますが、はたして実現する日は来るのでしょうか。



高谷の分岐点市川市内は用地の再利用が進んでいて、駐車場だけでなく工場や店舗が建っていたりします。二俣新町駅の手前の西船橋方向への分岐点も複々線化を考慮した設計です。現在は山側から西船橋方面下り、蘇我方面下り、西船橋方面上り、蘇我方面上りとなっていますが、蘇我方面下り線にもう1線設置可能で、さらに一番山側にもう1線設置することを考えているようです。写真(もろ逆光ですみません)は蘇我方面下り線の橋脚で、もう1線分のスペースがあるのがわかります。幻の一番山側の線ですが、橋脚も用意されていない上工場が用地を使ってしまっていて、もはや実現は絶望的でしょう。



二俣新町駅付近二俣新町駅付近では現在線の両側に線路を増設する準備がされています。写真は二俣新町駅前広場から蘇我側合流点を見たもので、股の部分に橋桁の取付座らしきものがあり、西船橋からの路線をくぐるスペースがもう1線分用意されています。蘇我側は、西船橋方面からの路線は内側線の間に入ります。新木場でりんかい線が内側に入っていることも考えると、貨物列車は内側線を走らせるつもりだったのかもしれません。



新習志野駅新習志野駅は現在は島式ホームを対向式ホームで挟む3面4線の駅ですが、対向式ホームの外側にもう1線増設できるようになっています。写真では、ホームの壁の下に妙なコンクリートの梁のようなものが見えます。海側、山側ともそうなので、計画では3面6線だったのでしょうか。当時の需要予測ではここが快速停車駅になると考えたのでしょう。



稲毛海岸付近の駐車場千葉市内の複々線化用地は山側で、大体駐車場になっています。写真は稲毛海岸の手前です。千葉貨物ターミナル付近も単純に山側に用地を確保してあるだけで、増設部からの千葉貨物ターミナルの出入りは考慮外のようです。このあたりは線路別複々線の予定だったのでしょう。



蘇我の手前で国道16号を越える部分蘇我の手前で国道16号を越える所にも新浦安付近のような橋脚が見られます。こちらはちょっとひねりがあって東京寄りは海側に現在線があるのに蘇我寄りはちょうど真ん中に現在線があり、ずれが生じています。写真は手前が蘇我側で、手前の橋脚には橋桁の取付座が両側に1個ずつ、1本向こうの橋脚には取付座が右側のみ2個あります。橋桁も連続していなくて互い違いになっています。このあとの高架線で更に山側に1線分ずれて、最終的には現在線が山側になります。



複々線化時現状

複々線化完成時の予想配線図です。この配線図は残されている遺構を基にきしめんが想像したもので、国鉄やJRが正式に発表したものでは決してありません。もしそのようなものをご存じの方がいればご教授していただければ幸いです。蘇我駅の貨物施設については省略しています。スイッチ切り替えで現状との比較ができます。

新木場では内側にりんかい線を抱き込んで、外側線が急行線、内側線が緩行線となります。貨物列車は緩行線を走ります。市川塩浜の先では下り、上りそれぞれ急行線と緩行線の間から西船橋方面への路線が分岐し、二俣新町の先で緩行線の間に西船橋方面からの路線が合流します。武蔵野線から見ると、東京方面には急行線、緩行線両方に入ることができ、蘇我方面には緩行線のみに入ることができます。南船橋では現在の蘇我方面の線路は急行線になるのでホームには柵が設置されるでしょう。上りの急行線になると思われる路盤は既に存在します。武蔵野線の折り返し線が1本に減ってしまいますが、山側にもう1線通過線を設置することも可能なようです。

南船橋と新習志野の間で急行上り線が緩行線を越えて、山側に急行線、海側に緩行線の線路別複々線になります。これは、新習志野と海浜幕張の間に貨物駅が予定されていたためです。この貨物駅への分岐線の遺構は現在もいくつか残っています。海浜幕張駅に上りのみ通過線の路盤があるのはこの貨物駅への出入りのためだと思います。急行線の京葉電車区との出入り用の引き込み線がどこから出るのかはよくわかりませんが、新習志野から平面交差で分岐すると思います。海浜幕張の手前に少しだけある急行下り線用と思われる路盤と現在の下り線(複々線化時の急行上り線)との間に段差があるので、あるいは海浜幕張から分岐するかもしれません。

海浜幕張から千葉みなとにかけては単純に急行線を増設するだけのようです。検見川浜や稲毛海岸の急行線ホームは図には入れていませんが実際には設置されると思います。千葉みなと駅は、駅の蘇我寄りの山側に線路が分岐するような構造が見られますが、ホームの部分は千葉都市モノレールの駅がぴったりくっついていてもう増設は不可能です。海側は何も建物は建っていないのでこちらへの増設は可能なようです。千葉みなとから蘇我にかけては、廃止になった川崎製鉄工場内を通る貨物線の分岐線などが残っていたりするのですが、用地に関してはギリギリ4線分といった感じで、一度高架線を更から作り直さなければならないかもしれません。蘇我駅は、現在の京葉線ホームが急行線ホームになり、緩行線ホームは現在の貨物駅の場所だと思います。