去年は1週間前からしか練習できなかったので、今年こそは3ヶ月ぐらいは練習しようと思ってい

たが、やはり意志が弱くてズルズルと当日の10日ほど前になってしまった。去年みたいに慌てて

練習を始めるハメになってしまったが、10日間は思うように練習はでき、当日を迎えることがで

きた。今年は友人Oが一緒に走る。彼は日頃、タバコを吸っていたので「タバコ吸ってたら完走で

けへんで」と言ってやった名目上、負けられない。気合を入れてスタート時点に立ち今年はゴール

まで何があっても歩かずに走り抜けると心に誓いつつスタートした。去年の失敗から学習したのか

、10kmまではおさえて走れた。まだ、余裕がある自分にうれしく快調に走った。今回は寛平の

ほか、そのまんま東やドンキホーテも出ていると聞いた。一緒に走ればテレビに映るというミーハ

ーな考えが浮かびまわりを見渡したが、普通のおっちゃんばっかり。仕方なく、まじめに走ること

にする。あんなに余裕があったのに15kmを過ぎて、やっぱりしんどい。ついでにお腹も痛い。

去年は後半、お腹減って仕方なかったので今年はスタート前にいっぱい食べせいか。そこまでOと

一緒に走っていたが、もうついていけない。「このくらいのレベルではタバコは関係ないのか」と

思いながら、みるみる小さくなっていくOの背中を見ていた。20km通過。やっぱり地獄。でも

、時計をみると去年より10分程はやい。後半歩かずに乗りきると、かなり記録更新できるはずと

自分に言い聞かせながら、なんとか走り続けた。途中、何度も「なんで、こんなにしんどいのに走

ってんねんやろう」と思った。やめようと思えばいつでもやめれるのに。でも、今回走りながら、

なんとなくわかった気がした。苦しいことをすればするほど、相対的に他のことが楽しく思える。

たとえば、普段はなんとも思わない水とか、バナナでもここでは命が救われるぐらいにメチャクチ

ャおいしいし、応援された一言がメチャクチャうれしい。しまいには風が吹いただけでもメチャク

チャ心地よい。最後には生きているだけでもメチャクチャうれしい気持ちになる(ちょっと、あぶ

ないか?)。日頃、楽なほう楽なほうを求めていると、きりがないし相対的に他のことが苦しく思

える。そこで、逆に考え、少し苦しいことをすれば、しょーもないことにでも幸せを感じれて、得

ではないか。と、一人納得して走っていた。でも、やっぱりしんどーい。30km地点。考える余

裕もなくなり、ただ無心で足を左右交互に振り出し続けた。今年もまた最後の難関の2つの橋がや

ってきた。「意地でも歩かん!」と橋を上った。横で歩いているオッチャンとほとんどスピードは

かわらなかったが、一応かっこは走っている。ゴールが見えてきた。走り続けたおかげで、去年よ

りかなりはやいみたい。3時間35分07秒。45分自己記録更新。「やればできるやん」と自分

を褒め称えつつ、ゴール会場を後にした。結局、そのまんま東は20分前、Oは11分前、寛平は

9分前にゴールしていた(ドンキホーテは棄権)。来年は、寛平には負けへん。3ヶ月前から練習

してると思うから(たぶん)。