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乱闘と言えば少しオーバーだが、それは、’98年元旦の朝っぱらから始まった。
朝方から来ていた10人程の暴走族風の軍団が牛丼を食べ終わり、たむろっていた。
深夜勤務は朝8時に終わりで、そのあとは昼の勤務の者が入る。
この日は冬休みだったので、バイトの高校生の女の子が入ってきた。
そうこうしているうちに、さっきの軍団が1人、2人・・・と店から出て行く。
これは、まさしく食い逃げの典型だと察知し、店に残った4人に注意していた。
すると、その4人はやっぱり席を立ってお金を払わずに出ていこうとした。
と、その瞬間、正義感の強いバイトの女子高生の子が毅然と「お金を払ってください」
というと、その4人は一斉に逃げた。
その子は勇敢なことに1人でその食い逃げ犯を追っかけていった。
これはさすがに放っておけないので一緒になって後を追った。
しかし、なにを思ったか、そのうちの2人が開き直って逆襲にでてきた。
なんとか店まで連れてきたのはいいが、店のなかで暴れまわり大変だ。
ついには女子高生の子にイスを振り上げたので止めに入ろうとした瞬間に、その子の蹴
りが食い逃げ犯の腹にきまった。
すると食い逃げ犯は一転、被害者に変身し、「訴えてやるー」と叫びだした。
自分が食い逃げ犯であることを完全に忘れている。
もめてる間に、他のお客さんが警官を呼んできてくれたらしい。
助かったと思ったが、1人は年配で、もう1人は若いが気の弱そうな警官だったので、
食い逃げ犯2人に言いたい放題言われて、タジタジだ。
心の中で「市民の味方、おまわりさんがんばれー」と応援していたが、メチャクチャ
弱かった。
食い逃げ犯は大人とか管理社会にかなり不満があるらしく、その辺のことを警官に八つ
当たりしていた。
一応2人分の代金は払ったが、残りは自分たちとは関係ないと言い張り帰ってしまっ
た。
元旦早々さいさき悪い一年の始まりとなった。