Profile (続編)

 さて、連れて帰って車から降ろし、とにかく散歩で排尿、排便させ、水とエサを与えた。相変わらず私たちにベッタリで完全になついている。SILVERの様に強く引くこともなく、本当に細いリードでも問題ない。
 しかし、この子の身体はもちろん車の中は「獣」のニオイが充満。きれいに洗ってやりたいのだが、もう夜の11時。明日は休みとはいうものの私たちもこの子も疲れているので、その夜は車庫にマットを敷いて寝かせることにした。「明日、きれいにしてやるからな。今夜はおやすみ!」とシャッターを閉めた。
 しばらくすると、車庫から異様な物音が聞こえる。「ドタン、バタン、ガタン、ゴトン」とやけに騒々しい。急いで行ってみると、何と車庫の棚にある物を身体が伸ばせるだけ伸ばして立ち上がり、手が届く限りの物を下に落としていたのである。車庫内は散乱状態!!! きっと寂しかったのであろう。「一緒に居たい」とでも言うようなこの子の哀願の眼差しがそこにはあったが、この夜は棚に手が届かない所にとにかくロープでつないで無理矢理寝かせた。しかし、この夜中、車庫の中から何かの物音が途絶えることはなく、そのたびに何度も車庫を覗きに行きそして慰めてやることの繰り返しで、やや寝不足となってしまった。

 2004/07/10 

目覚めてすぐに車庫に行ってみると、元気にすり寄ってきたが、とにかくニオイがすごい。すっぱーーーーいニオイである。特に尿のニオイが体中にしみついているのであろう。朝食前にさっそくシャンプー開始。ショートカットにしてあるので、その点ではシャンプーがしやすい。でも、ニオイが取れない!!!! この日は結局3回もシャンプーをしたが、鼻が曲がるようなニオイは完全には取れなかった。しかし人なつっこい!! 腹を見せて乾かさせる。こんな事はSILVERでは見られないことであった。

 

 この子を連れて帰りたいという気持ちは、この子の可愛さもあったのは当然だが、翌日はDEKAWAN・FUNCLUBのミーティングが延岡の河川敷であることになっており、そこでの「お披露目」をしたいという気持ちが私の気持ちの中にあったことは偽らざる気持ちであり、それがこの子に限らず新しい子を飼うという決心に結びついたことは間違いない。SILVERを亡くしてからずっと犬無しでミーティングに参加していたが、やはり犬連れで参加したいという気持ちはずっとあったので、それがいよいよ実現することになったのである。「みんなビックリするだろうなー」・・・その嬉しさが込み上げてきて、延岡行きの準備をするのも楽しいものであった。「SILVERごめんよ。この子を弟と思って許してくれよ」とSILVERの遺骨に話しかけた。天国のSILVERから「フン!!もう、俺っちのことはどうでもいいんだな」という声が聞こえてきた気がするが、気にとめないことにした。 (おいおい!)

 しかし、サマーカットしてあるとはいえ、この子は小さい。SILVERよりも二回りは小さい。近々、念のための検診を兼ねて動物病院に連れて行くことは考えていたので体重はその時に計るとしても、40kg位しか無いように思われた。「これ何? ゴールデンの大きい子?」そんな質問をされそうな感じであった。

 それに、今でもそうなのだが、頭を高くして背筋を伸ばすような時だけのことではあるが、左の後ろ足が完全に伸びてしまうというか、反対側に少し反り返るのである。そして耳からSILVERの時には見たこともないチョコレート色の耳あかがたくさん出てきた。 これはおかしい!! 早く病院に行かなくては!! それにもう一つ、一番気にかかることがあった。 それは、まだこの子の吠える声を聞いていないのである。何とおとなしい!!!・・・・うーーーん でもおとなしいだけでは気持ちが落ち着かない。何かおかしい!!! まさか声帯手術でもしてあるのではないだろうか?! そういう疑問がドドーッと不安と共に押し寄せてきた。
 「ホレ 吠えてみろ!」と言っても吠える訳はない。喉のところを手探りするがもちろん手術の後とかは確認できない。しかし、私たちの耳の神経はこの子の吠える声の確認に集中していたのである。 ところがどっこい、この日の夕方、その心配は一瞬にして喜びへと変わった。 何を感じたのか解らないが「うぉふっ!」という超低い声がこの子の口から発せられたのである。我が家みんなから大きな拍手と歓声があがったのは言うまでもない。「ホレもっと吠えてみろ!」とせがむが、吠えろと言われて簡単に吠えられるものでもなくこの日はこの一声に終わった。
 とにもかくにも、後日病院に行ったのであるが、まあ心配の一つはかき消えて良かった良かった。 それにしても、本当に低い良い声であった。SILVERよりも半オクターブは低い。 これは大物かも?・・・なんていうほのかな期待も沸き上がってきた。U^ェ^U それにやはり頭だけはでかい。鼻も大きい。スマートな顔つきよりもどっちかというと目も口もほっぺたも垂れたマスチフ系の「情けない顔つき」が好みの私が特に気に入ったところであった。U^ェ^U

 さてさて、いずれにしてもこの先どうなることやら??? この子との新しい生活にわずかではあるが、色々な心配と共に大きな楽しみと期待がいっぺんに私たちの気持ちと生活の中に入り込んできた。 U^ェ^U


 「初お披露目」 

翌日は宮崎県延岡市の北方にある北川町の河川敷での「デイキャンプ」に大和を連れて参加した。行くまでほとんど誰にも言ってなかったので、着いてみるとみんなはびっくり!!そして大歓迎を受けた。それまでは他のワンコとはふれあいが少なかったに違いない大和だが、何ら臆することなくたくさんのワンコ達にとけ込んでいったのは嬉しかった。今でもそうだが、大和は鼻にシワを寄せてはっきりと敵意を表すワンコにも平気で近づいて行って、噛まれないかと心配することがたくさんある。大物なのか、世間知らずのお人好しならぬお犬好しなのかまったく解らないところがある。とにもかくにも冷たくきれいな川の中に入ったり、みんなに撫でられたり、他のワンコと鼻をつき合わせたりしながらも仲良くすることが出来て、私たちも大和も楽しい一時を過ごすことが出来た。少しはしゃぎすぎたのか、大和はゴツゴツした石がたくさんある河原で、かつ周りはワンコ達が走り回る中でも、大きないびきをかいて眠るという一コマもあった。U^ェ^U


 「病 院」
 さて、翌週の休みの日、前記した気になる耳の汚れと左足が伸び過ぎる点について、ワンコ仲間から信頼できる動物病院を紹介してもらい早速出かけた。耳から出てきた「チョコレート」状のものは何と!!「耳ダニ」であり、顕微鏡で覗かせてもらうと相当な数のダニのうごめく姿が確認されギョッとなった。早速緑色の点耳薬で駆除開始。この後、約3週間で完治して一安心。左足先が伸び過ぎる件は症状的にみとめられるものの、歩行上異常も無いことから問題は無いとのことであったが今も気になるところではある。また、体重については軽いとは思っていたものの、45kgはあったので、アメリカタイプのオスとしてはまあまあ標準的であった。これから良いものおいしいものをたくさん食べさせて、50kg程度までは太らせたい。


 「名 前」
 おっと、まだ名前の話をしていなかった。私としてはSILVERの名前を何らかの形で残したい・・・引き継ぎたいと思って、「SILVERU」(>大和談・・・おいおい!俺っちは車か?!)とか、クラブ犬の半蔵君の向こうを張って、「銀二」「銀太郎」「銀衛門」「銀之助」などの和名や、そして色から「GOLD」「プラチナ」「パール」などなど考えていた。クラブの皆さんからもこの流れの予想もたくさんいただいたところであった。U^ェ^U ところが、家族からことごとく否決され、SILVERの名前も子どもたちがつけたものだが、またまた子どもたちの発想の中から、何と「大和」と銘々されたのである。ちなみに前の名前は「JACK」で、子ども達は意地悪して時々「JACK!」と呼んでみると振り返る。U^ェ^U(コラコラ!) 平成16年7月11日は記念すべき日となった。グレートピレニーズ「大和」がここに誕生したのであった。しかし、途中で名前を変えられるこの子の気持ちはどうだったのだろう?? (>大和談・・・ホント、人間って勝手だゼイ!!)


 「前 歴」
 プロフィールの最後の最後に「前歴」を紹介することになってしまった。この子の前歴を書かなくてはならないが、実は今でも良くわからない。小型犬を含む多頭飼いの世帯に飼われていた様で、言葉は悪いが「持てあまされて」いたため、やむを得ずこの子の出身犬舎に引き取られて戻ってきたとのことのようである。しかし、この子の優しくおとなしい性格からして虐待は無かったと思うしそう信じたい。
 しかし、近頃、特に思うのだが、小さい頃の写真が全く無いので手に入れるためにも、前の飼い主さんとコンタクトをとりたいとも思うが、それが良いことかどうか・・・・。
まあ、急ぐことは無いし、それこそこれもこの子との運命的出会いと同じく、時と運命の流れに任せたいと思っているところである。


 「新 居」

 SILVERを胃捻転で亡くしたが、最後を看取ってやれなかったという反省を基に、この子のために居間から見えるところに勝手口兼用ではあるが、3畳の「家内犬小屋」を作った。防水クッションフロアー2畳、土間コンクリート1畳、固定式扇風機、除湿器、寝転がって外が見える窓の高さ、脱臭剤、写真飾りボード、冷温混合調節水道栓などを完備。そしてたまたまではあるが夏場の暑さを避けて家の北側そして南北の風通しが良い通路のに面して設置することが出来た。しかし、そこにはほとんど居なくて、段々と家の中に侵略。とうとう今夜も「デーン!」と居間に寝転がっている。U^ェ^U


 子どもたちも段々と親離れしていく中、この子は私たちにとってまさしく生き甲斐であり、我が家はこの子を中心に回っている。 大和の部屋を作る時もどこから聞いたのか見学者が訪れた。U^ェ^U みなさんから「ほほー」「へー」「家の中にねー」「こりゃ人間が住めるバイ」「大和くん! あんた幸せものバイ」・・・などなどの声が。U^ェ^U
 たとえ、人から何と思われようが言われようが、大和を中心にした生活が続くことであろう。まあその内、私の方が先に天国か地獄に行くことになるかも知れないが、それまではこの子に愛情をかけそしてこの子に心を癒されながら、この子との生活を精一杯楽しみたいと思う。

 SILVERを亡くしてからこの子との出会いまで、DEKAWAN・FUNCLUBの皆さん、そして、NETを通じて知り合えたたくさんの方々の物心両面からの温かい支えをいだいたことに対し、厚くお礼を申し上げます。 今後も色々とご指導をいただき、そして情報交換などで末永くお付き合いいただきますよう、よろしくお願い致します。 そして「大和」をどうぞよろしくお願いします。ありがうございました。


大 和

SILVER